09/19の日記

00:01
ツリフネソウ:私に触らないでください
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「グレイ様、ジュビアも姫って呼んでほしいです!!」
「は?!何急に言いだすんだよ!」
「ルーシィやエルザさんには『姫』ってキザな呼び方してたって、聞きました!」
「ばっ、おまっ、あれはっ・・・!!!」
「ジュビアもグレイ様に姫扱いされてみたい!!」

突然過去をほじくり返されて、たじたじのグレイに、
ジュビアは珍しくどんどん突っ込んでいく。
それをかわそうと、後ずさりして一目散に逃げようとするグレイの脇腹を、
ガシっと、後ろからジュビアが力強く掴んだ。

「何のつもりだよ!」
「今日はジュビア逃がしません!姫と呼んでくれるまで、この手は離しませんから!!!」
「はっ。女の力で、男の俺をどうこう出来ると思うなよ!」
「力づくで勝とうなんて思ってません!!ただ、意地悪なグレイ様にはこうです!!!」

ジュビアは鷲掴んだ手を、わしゃわしゃと動かすと、グレイをくすぐり始めた。
だが、グレイは大してくすぐったさを見せず、
「はいはい。」と、上から目線であしらう様に、上げた腕の隙間からジュビアを覗いている。
何をやっても敵わないグレイに、ジュビアは悔しくて頬を膨らます。

「む〜っ!!ひどいです、グレイ様!いっつもジュビアばっかり!!!」

ジュビアはそう言うと、くすぐっていた手を、グレイの胸に回して抱きついた。

「ちょ、こらジュビア放せって!!」
「いやです!!」

ギュッと、体を密着させられ、背中に当たる、柔らかな感触を意識してしまったグレイ。
当のジュビアは、男の反応など意図せずにやっているため、性質が悪く、
手をほどこうとするたびに、それに抵抗するジュビアの腕の力が強まり、
余計にその有り余る胸が押しつけられる。
そして徐々に、グレイは自分の体の異変に気付き始める。

「まじで放せって!!」
「絶対離しません!!」
「ジュビア!!」
「嫌です!言ってくれるまで、放しません!!」
「頼むから、ヤバいんだって!!」

先ほどとは違う、グレイの切羽詰まった反応に、ジュビアは勝機を見出したのか、
更にしつこく、グレイにまとわりつく。
段々と顔色が、変わっていくグレイ。
青ざめているのか、赤らんでいるのか、
額に浮かぶ汗も、冷や汗なのか体が熱っぽさを含んだ為なのか、もはや分からない。
一段と下半身に力を入れてみるが、これ以上は、自分自身の体を制御できそうになかった。
そう悟ったグレイは、両手を上げ降参のポーズを取ると、必死な形相でジュビアに向かった。

「分かったから!!負けだ、ジュビア!!!だから!!」



「俺に触んないでください、姫!!!」

〜終〜

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