◆頂いた作品◆
□小悪魔キューピット
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「やだああ!!かえりたくないいい!!!」
ギルドの外から聞こえる子供の叫び声
何だろうと思い俺は外に出る
そこには小さな女の子と、ジュビアがいた
「でも、帰らないとお母さんがしんp…」
「いいの!帰らない!ジュビアお姉さんについていくう!!!」
「おい、どうしたんだよ」
ジュビアに声をかけると、俺に気づいたらしく困ったような何とも言えない表情で説明し始めた
「ちょっと、近くで仕事帰りだったんですけど、この子、森の中でうろうろしてたので、ここまで連れてきたんです…そしたら懐かれちゃって……」
少女はジュビアの足にしがみつき離れる様子もない
しかも俺の事を下からじっと睨んでいた
「……。誰?」
「えっと、フェアリーテイルの仲間です。」
「グレイだ」
「ふう〜〜〜ん」
何か意味ありげな顔で俺をじっと見つめている
「…ジュビアお姉さんの彼氏か何か?」
「「え。」」
思わず俺とジュビア、変な声を出してしまった
ジュビアは顔を赤くして何かをブツブツ言っている
「いや、ちが……」
「そっか。ねえ、お姉さん。私今日お姉さんの家に泊まりたいなあ…」
子供特有のねだるような、輝いた目で少女はジュビアにそう言った
「あの、お母さんがしんp」
「大丈夫!私今どきの子だから通信用小型ラクリマ持ってるもん」
俺がその様子をじっと見てるとまた少女が俺を見てきた
「何?その顔〜、もしかして焼きもち?」
ニヤニヤしながら見てくるそいつ。
ものすごくイライラしてくる
「あ、もしかして、ジュビアお姉さんの事スキなんだ!だから機嫌悪そうなのね♪」
「ちげえよ!!」
「グレイ様!そんなにきつく言わないであげて下さい、可哀そうです」
そう言ってジュビアは少女の頭をなでてやる
ジュビアに対してはまるで子猫のように接する
にしてもこいつ、なんで俺とジュビアのこと…
そんなに気にするんだ?
……い…いや、別に意識しているわけでは…
「顔真っ赤〜、やっぱり意識してる!」
ニヤニヤ笑いながらそんなことばかり言ってくる
「してねえって!」
「嘘だあ〜w」
その様子をジュビアは唖然と見ている
「ジュビアお姉さん!こいつきっとお姉さんの事好きなんだよ!!」
「あの………」
「あー!めんどくせえ!!好きだよそれがどうかしたか!!!!」
その言葉を聞いて完全に抜け殻のジュビアとキャッキャと楽しんでいる少女
そして今俺は間違いなく恥ずかしいこと言った。
「良かったね!これで両思いだよ♪」
にこにこしている少女を軽く睨みつけた
「ごめんごめん。ちょっと調子乗りすぎちゃった。でも、子供にまで嫉妬しておいて、気付かないんだもん」
少女は舌をペロッとだすと反省は全くしてなさそうだが謝罪した
「……うん。私はお邪魔かな?ジュビアお姉さんの家にほんとに泊るつもりだったけど、帰るね♪お姉さん、今度家に泊めてね♪じゃあね」
そう言うと走り去ってどこかへ行ってしまった
一方のジュビアは、抜け殻ではなくなり、顔を真っ赤にしてあたふたとしていた
「わわ…グレイ様がジュビアの事…これは夢ですか?」
「……現実だ。」
「ええっ…ジュビアまだ心の準備が、えっと…」
しばらく気まずい空気が流れた
沈黙の間、お互い何とか落ち着きを取り戻す
「……飯でも食いに行くか」
「え、あ、はい!!」
まあ、さっきは勢いで言っちまったけど
もっとちゃんと気持ちを伝えんのは、もう少し先だな
気持ちの整理がついてから……
おまけ♪
ルーシィとロキはあの様子を見ていた
「それにしても何だったのかしら。あの子」
「恋のキューピットだね♪」
「キューピットって感じじゃなかったけど、どっちかっていうと小悪魔的な…まあ、そう言うことにしとこ…」
終わり