□追う者と追われる者
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「グレイの、『男は追われると逃げたがる』って心理は分かるんだけどさ、グレイは逆に、女の子は押しに弱いってこと知らないの?」

「は?なんだよロキ急に…」

「ん〜アレ。」

ロキが指さす先には、相変わらず強引に食事に誘うリオンと、
オロオロと顔を真っ赤にして、なすがままギルドの外へ連れて行かれるジュビアの姿。

ジュビアの腰には、リオンの腕が回されているが、
当のジュビアは、押しが強くエスコートも上手いリオンに一杯一杯で、
それどころじゃないらしく、抵抗のそぶりすら見えない。
頭の中はまるで真っ白、と顔に書いてあるようだ。

「いいの?グレイ。ジュビアって、さっき言った女の子の典型みたいなタイプだし、場合によってはそのまま最後までいっちゃうかもよ?」

「・・・・。」

「ジュビアもあんな風に思われて嫌な気はしないだろうし、まして普段グレイに大分ムゲにされてるからね。」

「ムゲってなんだよ!」

「だって、ジュビアの気持ちには気付いてるのに、ハッキリとした態度をしてあげないんでしょ?僕から言わせれば、彼女を弄んでる様にみえるけど?」

グレイは、最初口をつぐんでいたが、その場で少し考えると席を立ち、ジュビア達の元へ向かった。

きっとグレイはリオンの手を払って、有無を言わさずジュビアをどこかへ連れて行くだろう。


けれど・・・


「あ〜あ。押しに弱いって言ったって、ジュビアがグレイの気持ちに気付いてなければ、強引にしても意味ないって気付かないのかな・・・。」

はあ・・・。

僕はいつまでグレイとジュビアのフォローをしなきゃいけないんだろ。

鈍感同士の恋愛って、周りがやきもきするなあ・・・。





でも、





それも楽しいよね♪




チャラい外見の割に、友人想いなロキの日々は続く・・・

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