K.H

□思い通りには行かないもので
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良い例えで言えば緊迫した空間。
悪い例えで言えば生き地獄。
なんて私は運が悪いのでしょう。

「君、」
「はい…」
「その髪は校則違反だよ。」

しまった。と思った。
確かになんで金髪なんて論外なものでここへ来てしまったのだろう。
寧ろ今までなにも言われなかったのが奇跡的だ。

「……地毛なんですけどこれ」
「それでも校則違反だよ。君も咬み殺そうか…」

「あー、いつつつ……、!」

殺気をこちらに向けられ、戦闘体制を整える。
久しぶりの実践の空気に冷や汗が額に浮かぶ。
しかし、その空気は“関わりたくない”沢田君によって壊された。

「ご、獄寺君!!山本!なっなんで!!?てゆーかみょうじさん!?なんで!!?」

最悪だよもう。
君とは関わりたくないのに。

いきなりのことに焦りを感じてしまう。
どうしよう、どうしようか。

「起きないよ。二人にはそういう攻撃をしたからね。」

取り敢えず冷静にならなければ。

「ゆっくりしてきなよ。救急車は呼んであげるから。……まずは、君からね。」

ぼんやりと突っ立っていたからか、一番にこちらを狙ってきた。
が、気づいてからでは遅い。
その妖しく光るトンファーで

「(殴られるっ!)」

「死ぬ気でおまえを倒す!!!!」

殴られるという寸前で間に割って入ってきた、

「さ、沢田君…!?」

彼は雲雀さんにむかって拳を出したが、軽々しく避けられてしまった。

「なにそれ?ギャグ?」

そんな沢田君に雲雀さんは躊躇なくトンファーを彼の顎に振り上げた。

床に倒れこんだその様子を見て、私は本能的に応接室から逃げ出した。
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