K.H

□関わったら
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ほんのぼそっ、と呟いたはずなのに。

「なまえちゃんそんなに可愛いんだから、男の一人や二人くらい作っちゃえばいいのに。」
「人を男好きみたいに言わないでください。」
「ああー、私もなまえちゃんくらい可愛かったらなぁー。」

先輩もう十分美人なのに。
そんな雑談をしながらも、手はせっせと大量の本を片付ける。
そしてこれで終わりという、最後の本の下に一枚の紙が置かれていた。
……これって、

「…先輩、これ……」
「なによ……………………………やっべ。」

先輩の口を数秒閉ざしてしまったその紙は、

「風紀委員委員会定期調査書………」
「先輩。逝ってらっしゃい。」
「ちょっと冗談になってないわよ。」

並中風紀委員会と言えば、不良の頂点に立つ最強風紀委員長、
雲雀恭弥。
男女問わずぼっこぼこにするイカれた人らしい。

「……………こうなったら仕方ないわね。」

そう言うと先輩は椅子から勢いよく立ち上がり、

「え、」
「あとよろしくなまえちゃん!!また明日ね!!!」
「はぁ!?先輩!!!!??」

まさに駿足の如く去っていった。





「嘘でしょ…」

あれから仕方なく、仕方なく。
腹を括って風紀委員会の活動場所という応接室に来たのだが…
そこまでは良かったのだ。
ささっと渡して帰ってしまえば良かったのだから。
なのに

「君、誰だい?」
「…と、図書委員のものです………」

室内にいたのは最強風紀委員長、
雲雀恭弥。
そして、

最も関わりたくない人No.1、
沢田綱吉。
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