K.H

□関わったら
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関わったらアウトだ。

「てめぇ!十代目になんて口を!」
「ご、獄寺君!だめ、だめだから!!」
「あはは、相変わらず元気なのなっ。獄寺の奴」

一見どこにでもいるような普通の中学生男子たち。
警戒すべきところなんてどこにもない。

しかし本当は普通じゃないのだ。
真ん中にいる栗色の髪の少年。

沢田綱吉
ボンゴレファミリー十代目候補。

まだ公にされていることではないが、彼がその当人であることは確実であるのだ。
ボンゴレファミリーといえばマフィア界切っての最大手。
だから絶対のぜぇっったい関わってはいけない。
もうマフィアなんて御免だ。





「なまえちゃん。これもお願い。」
「あ、はい。」

放課後の図書室。
こう見えて、私は図書委員だ。
イタリア人と日本人のハーフのせいで髪の毛は金髪だから、図書委員に立候補した時のクラスの反応は凄まじいほど驚いていた。
やはり、その不良じみた髪の所為で友達と言える子もいないのだが。

「あとこれ、全部返却にかけといて。」
「……先輩、働いてください。」

図書委員長の薩川先輩。
大人っぽい美人さんなのだが周りと違って私を敬遠せず、寧ろ使ってくる。

「後輩は使うものよ。覚えときなさい。」
「でも先輩は働かないものという訳ではありませんよ。」
「いいから手を動かすー。」

渋々先輩命令に従って一冊ずつ片付けていく。

「そういえばなまえちゃん。また告られたんだって?
「……………断りましたけど、」

なぜそんなこと知ってるんだ、この人。
確かに一昨日、知らない男子生徒に告白されたが、周りに誰もいない場所だったはず。

「私その男子と仲良いの。」
「……………最悪です。」
「え?何か言ったかしら?」
「なにも言ってませんよ。」


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