めいん

□禁煙=添い寝
1ページ/1ページ



「ウサギさんさ、禁煙とかって考えたことないの?」

 そう云ってソファにもたれかかっている秋彦の隣にドカリと座る美咲。
 秋彦の手にはタバコ。

「・・・ないな。」

 吸った煙を吐いてから、答えた。
 美咲はムッとした表情で、強めの口調で云った。

「体に悪いものしかないのになんで吸うんだよっ」
「・・・何、美咲は吸ってほしくないのか」
「そりゃそうだよ!」

 美咲は勢いよく立つと、秋彦の手のタバコを奪いとった。
 ビシッと決めポーズをとって宣言した。

「今日から禁煙してもらいます!!」














「てかさ、タバコってなんで吸いたくなるのさ」

 根本的な問題を解決しなければ禁煙も長く持たないだろうと思い、秋彦に問いかける。

「ストレス解消・・・とかじゃないか?」
「なんで疑問形なんですかてんてー」

(ウサギさんのストレスかぁ・・・〆切とか?いや、悪いのはウサギさん自身だろ)
 悩んでも原因がわからないため、ストレスの元ではなく、ストレスを解消する方法を考えることにした。

「ウサギさんは・・・タバコ以外にストレスの解消法とかってないわけ?」
「そうだな・・・美咲とアレやコレやをしてソレをぶちまけてそれで―――」
「もう結構でございます。」

 つまり、解消法の一つに“美咲とイチャイチャすること”がある、ということでいいのだろうか。
 だったら・・・

「ウサギさん、禁煙ヤダ?」
「あぁ。」
「どうしてもイヤ?」
「そうだな。」
「・・・ご褒美とかあっても・・・?」
「・・・何があるんだ?」

 よし、食いついた。と美咲は内心ニヤリとする。
 少々綱渡りのような気がするが、こうでもしないと禁煙してくれるとは思えない。

「禁煙、してるなら・・・禁煙一日につき一回一緒に寝る。」
「わかった。じゃあ・・・」

 秋彦が素早く立ち上がると、美咲を抱き上げた。
 ふわり、と体が浮いて一瞬え、と思ったが、すぐさま抵抗する。

「おいっおーろーせー!なにすんじゃ!」
「今日は一緒に寝てくれるんだろ?」
「うぐっ・・・まだそんな時間じゃ・・・」
「バカ。もう10時だ。良い子は寝る時間ですよ。美咲君。」
「なんじゃその云い方っ」

 良い子は寝る時間ですが、悪い子の秋彦君は美咲君を散々めちゃくちゃにしてから眠りにつくのでした・・・。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ