情愛ロマンチカ!?

□其の十
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「「・・・・・・」」

 ウサギと美咲はしばしの間黙り込んでいた。
 すーちゃんはいつの間にか秋彦の背後に回って抱きついて、秋彦と共にふたりを見てにこにこしていた。

 ついに、美咲は耐えられなくなったのか、すーちゃんのほうに近づいて、

「・・・すーちゃん・・・」
「はい?・・・え」

 美咲がガッシリとすーちゃんの肩を掴んだ。
 怒られるのか、と目をきつく閉じた・・・が、

「・・・?」

 何も起こらないのでゆっくりと目を開いてみると・・・
 そこには、笑顔の美咲がいた。

「流石だ!!」
「へ?」
「いやね、これでやっと俺の気持ちが分かってくれるんじゃないかなと思ってね。本当ありがとう!」
「あ・・・はい・・・」

 キラキラした目で喜んでいる美咲対して、ウサギのほうはわなわなと手を震わせている。

「・・・なんだこれは」

 低い声で云うウサギにすーちゃんは簡潔に答えを返した。

「藤堂×宇佐見のBL小説。」
「ぶはっ!あははははははははは!!」

それに吹いて爆笑する美咲。「あー!腹痛いぃいいいーっあっはははははは」
 つられて一緒になってくすくすと笑うすーちゃんと秋彦をみて、ウサギが真っ赤になって云った。

「そもそも、俺は断じて“受け”ではない!!」
「「「え?」」」
「・・・は?」

 その場にいる全員が頭の上に疑問符を浮かべていた。ただ一人だけ意味が違うだけだった。
 そしてウサギ以外の三人が口々に理由を放つ。

「だってウサギさん角先輩に襲われてたし、“受け”でいいんじゃね?」
「秋彦さんは攻めだとして、ウサギさんは“受け”っぽいと思うけどなー」
「後ろに同じ。」

 ウサギは、これも悪い夢のひとつだと思い込んだ。
 深く深呼吸をして、頭を抱えて考え込む。

(こいつら熱があるんじゃないのか・・・?)



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