情愛ロマンチカ!?

□其の十
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「・・・何」
「別に?かわいいな、と思って。」
「・・・五月蝿い」
 先ほどから藤堂にずっと見つめられていて、胸の鼓動が止まらない。
 治まれ、治まれ、と思っても、全く治まる気がなく、それどころかさらに激しさを増してくる。
「本当のこと云っているだけだろ?」
「・・・―――っ!」
 頬に手を当ててきて、優しい笑顔を向けられては心臓が何個あっても足りない。
 ドキドキと早鐘を打つ心臓を、ばれないよう、宇佐見は体を引いて触れないようにする。
 けれども、背後は壁で逃げ道などどこにもない。これ以上近づいてくれば、どこかが触れ合ってしまう。
「・・・なぁ?」
「・・・・・・」
 無視を決め込む理由は簡単。無駄に発言をして震えた声を聞かれないようにするため。いま声を出してこの気持ちがばれてしまったら今までやってきたことがすべて水の泡だ。
「・・・ぁ・・・」
 けれど宇佐見は距離に耐えられず、小さく声を漏らしてしまう。その震えた声に気づいてしまったのか、藤堂は更に近づいてこようとする。
「・・・っ」
「・・・・・・」
鼻先が触れてしまうほどの近くまで来て、もうこの胸は爆発寸前だ。
 それを知ってか否か、藤堂はニヤリと笑って・・・
「っ!?」
 キスを仕掛けて

<ここから先はウサギの手でくしゃくしゃになっている。>




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