情愛ロマンチカ!?
□其の十
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「・・・・・・・・・」
先ほどからずっと美咲は秋彦の上に跨ったまま、止まっている。
それをニヤニヤしながら見つめているウサギ。
「どうした。俺にお仕置きするんじゃなかったのか?」
(こんにゃろ・・・ムカつく!!!!!)
お仕置き、と云ってもまともに襲ったことすらない美咲は何をしたらいいのかさっぱりだった。
どうするべきか頭の中でぐるぐる考えていたら、ウサギが、
「っあ!?な、何・・・すんだよ」
「このままじゃつらいだろ?一回出しちまえ。」
「な・・・それ、じゃ・・いつもと、かわんな・・・っは、ぁ・・・」
ウサギの手が美咲の股間に伸びてきて、やんわりと勃ち上がっていた美咲のものを握って、弄る。
美咲はウサギからの愛を抵抗する力が出ず、受け取ってしまう。
本音は、抵抗する気がない。のだが。
「何?あきらめたのか?」
「ちがっ・・・っん・・・この・・・人が話してるときに・・・っあ」
ウサギは人が話している間でも愛撫をやめる気はない。
たとえ止めたとしても、美咲が辛いだけだ。
美咲はキッとウサギの顔を睨みつける。
「は、んぅ・・・バカウサギ・・・」
「はいはい」
「アホウサギクソウサギエロウサギ!」
「はいはいはい」
いつの間にか美咲は体制交代させられていて、いつものような体制に戻っていた。
***
「はぁ・・・」
どうしていつも形勢逆転されてしまうのだろうか・・・。
なんども襲おうと試みたことはあるが、其のたびにひっくり返されて、そのあとはいつもどおり。
と、昨日の反省をしていると不意にドアが開いた。
「やっほー!起きた?」
「え?す、すーちゃん?」
我が家の如く部屋に入ってきたすーとゃんをぽかーんと見ていた。
それを見たす−ちゃんが溜息を吐いて美咲にとある質問をした。
「・・・ここ、どこかわかる?」
「へ?俺の部屋」
ココは美咲の部屋以外に何ものでもないと思うのだが、すーちゃんがやっぱり、とため息をついて云った。
「・・・ココ、“俺の”部屋なんだけど」
「え?すーちゃんの・・・?」
美咲は考える人のような体制を取り、「あぁ!」と声を出した。
そういえば、昨日すーちゃんに連れてこられたままウサギにヤられ、そのままだったのだ。
「あ。えと、ウサギさんは?」
「あぁ、そうだった!ちょっと来て!」
「え、ちょっわっ!?」
すーちゃんに腕を引かれてそのまま部屋の外に出る。
そこから下を見下ろすと、ソファにウサギと・・・向かい側に秋彦が座っていた。
秋彦は頬杖をつきながらにこにこしている。
それに対してウサギは・・・。
「ウサギさん・・・?」
そっと、体に響かないように階段を下りる。
秋彦が美咲に笑顔で「おはよう、高橋君」と云ってきたので美咲は少し戸惑いながら挨拶した。
(ウサギさんと同じ顔で同じ声なんだけど、笑顔で「高橋君」て云われると、なんか調子狂うな・・・)
そんなことはさておき、問題はウサギが硬直しているということだ。
そして、ウサギの手には数枚の紙が・・・。
「・・・?」
ソファの背に肘をつき、ウサギの真後ろで覗き込むような形で美咲も紙を見る。
どうやら小説のようなのだが・・・・・・。
「・・・ななな、何これ!!」
書いてあったのは・・・・・・
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