情愛ロマンチカ!?
□其の一
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「えっと、うさぎさん?」
「美咲?誰からか分かったのか?」
「うん。とうやら、高校のときの子らしいんだ。名字変わったからわからなかったよ」
「そうか、それならいいんだ」
美咲は何か、困ったような顔をしているようにも見えたが、秋彦にはその『友人』の環境が変わったことに、気をつかっているようにも(?)見えた。
だからあえて、その話は触れないようにした・・・。
と、
「う、ウサギさん・・・あのさ」
「ん?」
「えっと、俺・・・今日、目標クリアしようと思うんだけど・・・・いい?」
「目標?何のだ?」
美咲の口から、思わぬ言葉が出た。
「・・・ウサギを襲うこと」
「・・・・へぇ。俺はいつでも大歓迎だけど?」
いきなりのことを云われて内心驚いたが、そこは冷静に対処する。
すると、秋彦の回答に満足したのか、美咲はそっと、ソファに座っている秋彦に近づいてきた。それを静かに見守っていたが、
「・・・・今日は本気なんだ」
「俺はいつでも本気だけど?」
「そうですか」
ふわりとソファに押し倒されて、何か、妙なものをかんじた。
(美咲・・・・・だよな?)
攻などしたこともない美咲がなぜか「自分、上やったことあります」のような雰囲気が漂ってきた。
「・・・・なに?」
「いや?別に。」
「・・・・そう。・・・・・びっくりしてる?」
「何を?」
「俺がいきなり襲うって云ってきて」
「何で。・・・云っただろう。いつでも大歓迎だって」
「そうだね」
美咲がそっと、笑いながら秋彦の首筋にキスをした。そして・・・・・
「!」
秋彦自身、思っても見なかったことがおきた。
何度いっても実行してくれなかった、
(美咲が・・・・キスしてる)
それはとても嬉しいのだが、やはり、何かおかしい気がした。
美咲宛に来たあの荷物に何かあったのだろうか・・・・。
だが、美咲には変わりはないだろうと思い、そのまま美咲のさせるようにしておいた。
「・・・・っ」
美咲は、いちどキスの角度をかえると、秋彦の歯列を割って入ってきた。
まさか、
(なんで・・・・)
美咲のキスがうまい。
ありえないことなのに。
やはり『美咲』に何かがあったのだろう。
きづくと、もうすでに秋彦のシャツははだけていて、そこに美咲の手が伸びる。
(やっぱり・・・・美咲・・・じゃない・・・?)
けれど、今の秋彦にはどうすることまできなかった。
秋彦はそのまま『美咲』のいいなりになることした出来なかった。