情愛ロマンチカ!?
□其の六
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『だ、大丈夫だよ。俺は・・・・ウサギさんの傍に――――』
あの言葉を思い出す。
きっと、美咲は「傍に居るから」と云ってくれようとしたのだろう。
できれば最後まで云ってもらいたかったのだが、きっと何かあったのだろう、美咲は「俺はちゃんといるからさ」と云い直した。
「はぁ・・・・・・」
秋彦は仕事を中断して、背もたれにもたれかかった。
ここ最近、『あのこと』があってからまったくと云っていいほど、仕事がはかどらない。
秋彦は目を瞑って『あのこと』を考えてみる。
(本当に・・・・・アレはなんだったんだ・・・?)
美咲が云っていた『怖い夢』というのは、あながち間違いではなかったのだが、あれは本当に『現実』であった。
何度、夢であってほしい。と願いはしたが、あの生々しい感覚は何をしても消えることはない。
あの時の何者かは、きっと、美咲にとり憑いて現れたのだろう。
とり憑いた、ということは幽霊か何かなのだろうか、と考えてみたがやはり現実感が沸かない。
「まったく・・・・・・・だれなんだよ・・・」
「誰って、俺だよ」
「!?」
声がして、目を開いてみたが、
何も見えなかった。
・・・理由は、