情愛ロマンチカ!?
□其の一
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ウサギさーん!」
「はいはい、何でしょう」
平凡すぎて暇でしょうがない平日の午後、美咲は仕事がひと段落して休憩している秋彦を呼んだ。
今日も、美咲は可愛い。と秋彦は思いながら美咲の元へと向かった。
「何?」
「・・・うんと、俺宛の荷物らしいんでけど・・・・」
「荷物?」
どうやら知らない人からの荷物らしいが、美咲はそれに対して「なんか・・・・知ってるようなきがしなくもないような・・・」と、あいまいなことをつぶやいている。
あて先を見ると、『北海道』という文字があることから、何か、イベントか何かで知り合った人かもしれない。
「一応、あけてみたら?」
「うん・・・・」
そっと、まるで危険物を扱うような手つきで開封していく。
「・・・・あ」
「?どうかしたのか?」
「・・・・・・いや、なんでも、ない・・・・」
美咲の妙な歯切れの悪さに、たぶん何かわかったのだろうと秋彦は感づいたが、自分にはさっぱりだった。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・ちょっと、コーヒー持ってくるわ」
「・・・・うん」
美咲の様子からして、自分はいとまず席をはずすべきだろうと考え、秋彦はそっと、云い訳をしてその場を去った。
(・・・・・・なんだ?)
何か、いやな予感がする・・・・。
そう感じたが、その理由はまだ分からなかった。