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りあるたいむ


日常呟き・萌え語り・ネタバレ・こねた・落書きを無差別に投下
(´-`)/{自重なんて知らないよ)状況なので閲覧は自己責任でお願いします
ジャンルばらばら、更新率ものすごく高い                            
◆創作小咄 

「すき」
自分達以外に誰もいない、先程まで賑やかだった空間は余白を持て余しながらモノクロに冷えていく。
言葉は届かずにするりと消えたのでもう一度発してみた。
「すきだよ」
「嘘吐け」
「本当さ」
艶やかな彼岸花は此方を見ようともしない。
何時なら茶化してくれる笑顔は成りを潜めて眉を寄せているのかな。
空気が読めるのか読めないのか、きっと彼は過ぎるほどに読めてしまうのだろう。
「例えば何処が」
「例えば、全部」
「答えになってないな」
「そう?」
かたり、机を越えて大きな掌に自分のそれを重ねる。
男の手だと当たり前の事を思った。
「すき」
真実を知っているだろうに振り払わない温い優しさ。
止まる最後のチャンスを踏みにじる残酷さ。
彼岸花を靡かせたままの癖に頬に手を伸ばす甘い同情。
「すきなんだ」
君は届かなかった彼女にそっくりで。
触れる温もりが霞んで消えたら、僕は泣くのだろう。

叶わぬ恋の虚像を求めること程滑稽で寂しいことはないなあと思うのです
きっと想いが深い程欲しくなるんだろうなと思うと切ない


2013/12/07(Sat) 22:20

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