カゲプロ


□Don't be late for you
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「わっ」
抱き締められ触れていたセトのツナギが唐突に低く震えた。
背中で鳴った予期せぬ振動に思わず間抜けな声が出る。
セトは少し僕を胸から離して端末を抜き取った。
「キドからメールっす」
「僕がいくら送っても返事しなかった癖に…。キド、何て?」
「……………」
「セト?」
「…カノ、行くっすよ」
「え?」
セトがいきなり立って僕の手を引っ張って歩き出した。
半開きの扉からは集まった鞄達がまだ見えている。
「ちょっと、どこ行くの?」
「すぐ解るっすよ」
何なんだ一体。
体格差のせいで、半ばセトに引き摺られるように進む僕はもう小走りだ。
セトが少し歩調を緩めてくれたので漸く並んで普通に歩く。
やがて到着したのは見慣れた理科室だった。
「…もしかして…」
「そうっす。さ、準備はいいっすか、主役さん」
「うん」
引き戸を通して楽しげな雰囲気が伝わってくる。
全く、一人で拗ねてた僕が馬鹿みたいじゃないか。
取っ手に手を掛けさあ開けようというところで不意にセトが言った。
「あ、そうだ。タイミング逃しそうだから今言っとくっすね」
「何?」
「俺がさっき息切らしてたのは、先生から逃げたからじゃなくてカノに早く会いたくてっすから」
さらりと告げるセトに顔がかっと熱くなった。
完全に見られた後で欺くのも何だか馬鹿らしくて目線を隣から正面へと移す。
「…本当に、セトって時々反則ぶち込んでくるよねぇ」
「え?」
「何でもないよ。行こうか」
「カノ?」
頬の赤みが去ったことを確認して扉を開く。
途端身体を包んだ暖かい空気に自然と笑みが零れた。



今度こそEND



カノさんが皆に放置されてたのは誕生パーティーin理科室の為だったり
セトさんが帰ってきたのを見たキドさんがメールでカノ連れてこいって任務出してこれから皆でお祝いです
ちなみにドア前の二人のやり取りきっと中にも聞こえてる

シンタロ「リア充ばくはつしろ」


それでは、こんな所までお付き合いありがとうございました!
お粗末様でした                            

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