カゲプロ


□如月シンタローの憂鬱
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※学パロもどき


「…やばい、違和感はんぱねぇ…」
日本のとある場所、とある高校の前。
オレ、如月シンタローは、先程から一歩も前に進めていなかった。

――とは言っても何かがオレの前を遮っている訳ではない。
目の前に佇んでいるのは何の変哲もない高校の校舎だ。
少し少女趣味というかよく分からない統一のされ方をされているが、至って普通の高校である。
オレが進めない理由。
それは――
「変なモノローグで時間稼ぎすんな」
「いたっ!?」
オレの脳内台詞を遮って突然かかった声と共に、ゴッと何かがオレの頭に直撃した。
思わず悲鳴を上げて頭を押さえる。
すげぇ痛い、これ絶対固い物の角とかで殴られた。
オレが涙目で後ろを振り向くと、そこには呆れた顔をした眼鏡の男性がいた。
「楯山先生、いきなり何するんですか」
「校門の前で突っ立ったまんまの不審者に言われたくねぇよ」
「不審者…。って先生こそ何で学校の外で学級名簿持ってるんですか、つか今それでオレ殴りましたよね」
「諸事情だ、気にするな」
「うわ…」
返し方が大人げなさすぎる。
そんなことを思っていたら何故かまた殴られた。
「いてぇ…」
「我慢しろ。――さて、教室行くか」
「あ、先生オレ用事思い出しいたっ」
「黙れ。お前1学期始業式と定期テストしか学校来てないだろうが。今学期は逃がさん」
「先生、やっぱ無理です無理無理今更登校とかほんとにむ」
「校門までは来れたんなら大丈夫だ」
「うぉっ」
なんだか怖い笑顔で言われたと思うと学ランの襟を掴まれる。
咄嗟に足をバタバタさせるがヒキニートの抵抗なんて普通の男の人に適うはずがなかった。
ずるずると引きずられる体が昇降口に入った瞬間、オレは諦めて力を抜いた。



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