カゲプロ


□うたた寝アフタヌーン
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「ただいまーっす。…ん?」
セトがいつものようにバイトから帰って来てドアを開けると、アジトはしんと静まり返っていた。
珍しく誰もいないらしい。

最近すごく賑やかになったから。
少しの一人も寂しく感じるな、なんて思いながら部屋に向かおうとして驚いた。
「…あれ、シンタローさん?」
リビングの端のパソコンデスクに赤いジャージが突っ伏している。
周りに書類が散らばっているから、情報整理でもしていたのだろうか。
声を掛けても反応がない。
「…寝てるっすね」
規則的に上下する背中からもしやと思ったが、案の定だった。
柔らかそうな頬に長い睫毛の影が落ちている。
普段じっくり見たりなんてしないからか、そんな小さな発見も何だか新鮮だ。
思わず見とれていて、はっと自分は一体何をしているのかと気がついた。
「シンタローさん、起きて。起きてくださいっす」
セトが揺さぶりながら声を掛けてもシンタローは依然すやすやと眠り続けている。
ここまで深く眠っていると起こすのが忍びないが、このままだと風邪を引くか身体を痛めてしまう。
シンタローのことだから両方になっても不思議ではない。
セトは溜め息を吐いた。
「しょうがないっすね」
よいせ、と身長の割に軽い身体を抱き上げソファまで運んで横たえる。
そして部屋から毛布を持ってくるとお腹の辺りまでかぶせた。
そうして移動させる間もシンタローは目を覚まさなかった。
よほどぐっすり寝ているらしい。
穏やかな寝顔を見ていると、セトもバイトの疲れか、だんだん眠くなってきた。
俺も少し横になってしまおうとなんとなくシンタローとソファの間に身体を割り込ませる。
自分にもたれる形になったシンタローがずれ落ちたりしないよう体勢を整えてから、セトは静かに瞼を閉じた。

――さぁ、二人が帰って来た皆に起こされるまで、
目を覚ましたシンタローがセトとの状況に慌てふためくまで、後どれくらい?
実は起こされる前に散々写真やら何やらを撮られることを、二人は知らない。



END



―あとがき―

セトシン小説第2弾。
今回は純粋なセトくんです
タイトルは気にしちゃいけません←

私は三人称(?)で小説書くのが苦手なんですが、セトくん視点で考えたところそっちの方が難しい気がしたので珍しく三人称です
カノといいセトといい私はkgpr攻め組視点の小説が苦手らしいですwww

実はギリギリまでコノハと迷ったんですが、今回は力持ちそうなセトで

それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました!                            

 

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