企画


□Let's enjoy aquarium!
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日も大分傾き、空気も夜に替わろうとしている。
腕に袋を抱えたオレとセトは荷物のない方の手を繋いで歩いていた。
「――はぁ〜っ。遊んだっすねー」
「ああ。そろそろ帰んなきゃな」
「お土産見たら何て言うかなー、皆」
「楽しみだな」
くくっと笑って駅まで歩き出す。
皆にはちょっとしたお土産を買った。
男連中にはお菓子と嫌がらせ用に一つ。
女子にはキーホルダーを買った。
キドはイルカ、モモはペンギン、マリーはアザラシ。
お土産選びは楽しかったけど、マリーのお土産を選ぶセトが他より何だか楽しそうでちょっと複雑だった。
忘れていたそのことを思い出して少し気が沈む。
オレはそんなこと今考えるなよと首をぶんぶん振り、横に座るセトをちらりと見た。
「どうしたんすか?」
「えっ?…何でもない」
気づかれたことに少し驚いたが、すぐに取り繕った。
こんなこと別に言わないでもいいだろう。
というか恥ずかしいから言いたくない。
セトから顔を背け、向かいの窓から見える街並みを眺める。
「嘘」
「何が」
「どんなに小さなことでも言って欲しいんすよ」
「…嫌だよ」
たまにこうやって真剣な雰囲気を出すのは反則だと思う。
今セトの顔見たらたぶん吐いちゃうだろうな、なんて頑なに窓を見続けていた。
まあやっぱりセトはセトだったが。
「言わないとここでキスするっす」
「…お前今までの雰囲気ガン無視?」
「え?」
「…絶対言わねぇ」
セトのどこかずれた発言で空気が一気に壊れた。
しかも無意識らしい。
しかし生憎とオレはこの少女漫画的展開に流されるような可愛い性格はしていない。
オレとしては吐かないで済みそうになったから結果オーライだが。
その後しつこく訊いてくるセトを適度に殴りつつオレ達はアジトへと帰り、水族館デートは終わったのだった。


(シンタローさん、さっきのことって何なんすか?)
(しつこい)
(ちょっとセト!)
(何すかカノ。今大事なとこなんすけど)
(お土産くれたのはいいけど何で僕だけ帽子!?しかもトド!?)
((なんとなく))
(――で、シンタローさんさっきの続きを)
(だからしつこいって)
(酷いよ二人とも!)




END




―あとがき―
アンケート2位、セトシンでした
投票して下さった方々、ありがとうございました(^^)

セトシンはギャグでいこう。ヒビシン失敗したから今度こそ。今回そんな決意をしてから書いたのですが…
結局中途半端になってしまいました(^p^)
こんな残念クオリティで宜しければフリーです
もしお気に召したらどうぞお持ち帰りしてやって下さい

お読み頂きありがとうございました!                            
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