目を剥いて掛けた話
□第 19話 数秒間に
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能力によって、そのテロリストは瞬時に顔面蒼白でガクンと床に崩れ落ちた。
両目を見開いて。
他のテロリストたちが異変に気づき、構えようとしていた銃を下した。
その表情には混乱がくっきりと浮かび上がっていた。
色々不思議なことがあったもんね?
いきなり女が現れる。
テレビやスピーカーが勝手に倒れだす。
そのついでで無精髭君はノックアウトしたし。
人質の手はガムテで固定したはずなのに取れているとか。
そして今の状況。
仲間がいきなり顔面蒼白で床に崩れ落ちちゃった。
しかも震えている。
可哀相な形相だけど、君最近おみくじで凶でも引いてきたんじゃない?
こんなにたくさんのこと考えてるけど実際流れた時間はたったの数秒。
キサラギ兄はもう目的の場所に着くし、テロリストたちもあの運の悪い人のほうに目を向けているからキサラギ兄へと銃口を向けようとしている人はいない。
キサラギ兄はPCの前に辿り着き、元からケーブルにつながれていた携帯を引き抜いて、キサラギ兄の携帯を接続。
するとスクリーンにはかわいらしい少女が現れ、なんとも不思議な絵を見た気がする。
ここまで見て私はやることはやったと気を抜いた。
キサラギ兄もほっとしているように見えた。
刹那、聞こえたものは聞くことのないようにと思っていたものだった。
パァン!
機敏に反応できる奴はあまりいないだろうよ。
だから、機敏に反応できた奴に何か異変があればテロリストたちはそちらに注意を向けるだろうと思ったよ。
でも、
でも、仲間の異変なんか気にしない奴だっているよね?
テロリストなんだから、ここにいるのは。
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