目を剥いて掛けた話
□第17話 能力と作戦
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「そういえばクオさんって何か能力あるんですか?」
突然の質問に一瞬フリーズしてしまった。
『あるっちゃあるけど……なんで?』
「だって今わかんないのクオさんだけなんですもん」
あれ?そうだった?
まず、キドのは教えた。
次に、マリーのも教えた。
カノのはさっき教えた。
今キサラギがあったことのある人で教えてないのは……
『ホントだ。あと私だけだ』
「今気付いたのかよ……」
キドに呆れられてしまった。
だって気付かなかったんだもん。
仕方ないじゃん?
『私の能力は一応【目を掛ける】って言われてて、基本他の人の能力のサポートにまわってるかな。主に他人の能力の限界の幅を広げたり、より強力なものにしたりしてる』
この能力の説明は長くなるので2/3くらいは割愛させていただく。
キサラギにうまく伝わっていなかったようなので例を挙げる。
『例えば……そうだなぁ……マリーが普通に能力を使ったらその能力は5分有効だったとする。マリーが能力を使っているとき私も【目を掛ける】能力を発動すれば5分有効だったものが10分有効になる、って感じだ』
長々としゃべってしまったがこれでちゃんと伝わっただろうか……?
「うーん……まあなんとなくわかりました!」
……伝わったということで。
『……それにしてもなぁ……』
カノのアホな写真?を見る。
「……ですよね……」
「あぁ……とりあえずこいつはアホだ……」
みんな思うことは一緒だった。
「あ……あ……!!」
カノのアホな写真を見ていたらキサラギが何か思いついたようで、声をあげた。
『キサラギ、どしたの?』
「団長さんが【目を隠す】、そして私が……」
「はぁ?何言ってるんだお前?」
能力がどうかしたのだろうか……?
「団長さん、クオさん。もしかしたらですけど、倒せるかもしれません……この人たち」
『へぇ……面白いこと言ってくれるじゃんか』
自然と口角が上がる。
「……キサラギ、どういうことだ?」
「えぇっとですね……うぅん口で言うのが難しいな……ちょっと文字にしながら考えたいので、携帯使ってもいいですか?」
「ん?構わないが……」
「つまりですね……」
キサラギがキドの携帯で文章を打ち始めたので結論だけ後で聞こう、と思いテロリストたちの方を観察することにした。
テロリストたちは何度も時計を確認している。
私も時計の方に目を向けるとそろそろ13時になるところだった。
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