目を剥いて掛けた話

□第14話 まず進もうか
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「あ!っていうかマリーちゃん大丈夫!?ごめんね驚かせて……!」

マリーは既に立ち上がっていた。

そしてソックスのひざの部分が少し破れていたようだった。

「わ……!け、怪我しちゃった!?」

「うぅ、今日初めてはいたのに……」

『そうかい。それは残念だったね。とりあえず怪我はないな』


「よかったぁ……ちょっとカノさん何ニヤニヤしてるんですか!気持ち悪いです!」

「え?いやいやなんでもないって……気にしないで?」

気にしないで、ねぇ……

完全に新しいおもちゃを見つけた顔じゃないか。



「うわああああ!もう最悪!!ホントに最悪!!なんでこんなところにいるわけ……」

「な、なぁ今のがお前の兄貴なのか?お前の?」

『兄妹の割にあんまし似てない感じ?』

「団長さん、クオさんうるさいです!やめてください!もうホント最悪……」

「お、おう……!悪かった……」

『ハイ……すんません……』

私たちは思わず謝った。


キサラギ兄は門のところで携帯に喋りかけているようだ。

しゃ○ってコ○シェルか何か?


「もういいから早く行きましょう!ね!?マリーちゃん!」

キサラギは早く自分の兄から離れたいようだ。

「う、うん……キサラギ?……なんか怒ってる?」

そうか、マリーは怒っているように聞こえたか。

『マリー、キサラギは早く楽しいお買い物をしたいだけだから気にすることないぞ。なぁ、キサラギ?』

「そ、そうだよマリーちゃん!!だから早く行こうね?クオさん話わかる人でよかったです!」

『いえいえ、こんなことで喜んでもらえるなんて光栄ですー』

テキトーに答える。

「ほら団長さんも早く!」

「お、おう……」

「クオさんもですよ!」

『へいへーい』

キサラギはキドの背中を押して門をくぐり、デパートを目指して行った。

私もマリーも、そして行こうと言われていないカノも前にいるキドたちに続く。






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