目を剥いて掛けた話
□第12話 只今移動中
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「うわぁ……!私も見てみたい……!」
「アホか、お前が離れたら本末転倒だろ……。ってマリーお前近すぎだ!暑苦しい!」
キドはパーカーに引っ付いていたマリーを引き剥がした。
「ひ、人がいっぱいいるぅうう……」
「そりゃ大通りなんだし当然でしょ?」
『まぁとりあえず問題は無いようだし、任務続行で』
「は、はい」
任務って言っても機種変更とカップの購入なだけだが
でも任務って言うとなんかイイね!
響きがカッコよくて!
キドとカノが先頭で、キドのパーカーにマリーが引っ付いていて、その後ろに私とキサラギで歩き出した。
マリーはお得意の?自己暗示で自分を落ち着かせようとしていた。
「あの……クオさん……あの……」
『ん?何?ってかなんで小声?』
「あ……な、なんとなく……」
「なになに?キサラギちゃん、人にバレないか気にしてるの?」
「ま、まぁ……」
「いや、普通に喋っても大丈夫だよ?なんなら歌ってもいいし、デビューシングルのほら、なんて言ったっけ桃色なんとか……」
「うわああああああ!!なんでいきなりその話するんですか!!殴りますよ!?」
「殴るの!?」
『なんか……キサラギが殴ってもあんまりダメージ受けなさそうだな……』
「クオさん感想が率直すぎですよ!!」
『え、いや……うん、ごめん』
「……っていうかほら、大声出しても誰も反応しないでしょ?」
「あ、本当だ……ってそうじゃなくて!マリーちゃんがやばそうなんですけど……」
マリーはまだ自己暗示を続けていた。
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