目を剥いて掛けた話

□第9話 財布の中身
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キサラギが机の上のレシートをすごい勢いでかき集め、カノから財布を奪うように取り戻す。

「な、なんてことするんですか!!勝手に人の財布を見るなんて……!」

「え?いやぁ……なんとなく?」

『それに他人の財布ん中って面白そうじゃん。な、カノ』

「そうだね」

こういうのはカノと気が合う。

面白そうなことには首突っ込むよ。

楽しいのが一番!

まぁキサラギは少々落ち込んでいる?ようだ。


「あたりめとおしるこのアイドルか」

「な、なんですか……!悪いですか!」

キドが不憫そうな顔で呟くと私とカノは深刻そうな顔をした。

『やっぱり……いろいろ大変なんだよね……』

「ごめんねなんか勝手に覗いちゃって」

キサラギはこういう空気に耐えられない奴だろうから多分パニクる。

どうなるかな?


「ちょ、ちょっとやめましょうよ!!ああああああ!!め、珍しいですねこのお菓子!!袋もオシャレでおいしそ……」

キサラギが机の上からとったお菓子は、


特濃昆布ダシ・漢の間食!


と書かれた大根の珍味。

「お、おう……食べていいんだぞ……」

キドめっちゃ引いてる!!

私とカノはブッと吹いた。


ヤバイこれ!!

ってかキサラギ!!

予想以上に面白いよ!!

ちょ、待っ……笑い止まんな……!

しばらく思いだし笑いしそうなんだけど!!

どうしてくれんの!!


頭ん中このことでいっぱいだったもんだから会話あまり聞いてなかった。

「お、おい落ち込むな!元気出せ、……!」

「特濃昆布ダシ……お腹いた……ひぃ……」

『ちょ……今それ言うなよ!……笑いがますます止まらなくな……ブフッ』

また吹いちゃったじゃん!

「いつまで笑ってるんですか!!」

キサラギに怒られてしまった。

キサラギの声はマリーを驚かせてしまったようだ。

「ってあぁ……!ごめんね?」

「だ、大丈夫……」

大丈夫ならそんな怯えたような顔しなくても……


それより、やっぱりさっきのは面白かった!

ツボったね!

死にそうだったよ。

酸素がろくに入ってこないから。

いやー、笑い疲れちゃったよ。





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