目を剥いて掛けた話

□第8話 弁償するには
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「あ〜あ、こうなると警察が既に動き出していて、ここも直にバレちゃうかもね〜……」

「そうなったら俺たちは全員、誘拐犯として逮捕か……。せめて携帯がなぁ……」

キドがわざと?ため息をついてマリーを見る。

マリーはビクリと肩を動かし先程より多く涙を流しはじめた。


キドもカノもマリーいじめ楽しんでるな。

あー、なんか止めるの面倒臭いしいいや。

「じゃあマリーが日払いの労働をして、ちゃっちゃと機種変更代を稼げばいいんだ!」

カノが笑顔でマリーに告げる。

名案だとでも言うかのように手をポンと打ちながら。

「そうだな。え〜と……お、交通整理とかあるみたいだぞ。よかったな未経験可だ」

それよかったって言えるのだろうか……?

マリー泣くの止めて青ざめてるし……

「いやいやこっちのほうがいいでしょ。【汗をかいたらみんな幸せ!ペンギンマークの石風呂運輸!】う〜ん……ちょっと給料安いけど、男女問わずだって!」

ペンギンと運輸にはどんな関係が……

「まぁ鍛えてもらうってことでいいんじゃないか……?っておい、待て待て待て」

静かにこの場を立ち去ろうとするマリーをキドが引き止める。

鍛えてもらうって今からじゃ遅い気がするなぁ……


「どこに行くんだお前は」

マリーの顔は恐怖でいっぱいだった。

「私……無理……こんなの」

うん。

無理だろうね。

『まず体を動かすのが好きって項目と丈夫な人って項目に当てはまってないしな』

「そ、そうですよ。ちょっとこれはマリーちゃんには厳しすぎませんか……?」

「いやいや社会勉強ってことで!うっわぁ勤務時間6時から夜11時まで可能だって!即日労働も可ってあるから、これなら携帯代くらいすぐに稼げるんじゃない?」

カノは悪質な笑顔でマリーの顔を覗き込む。

マリー……そんな風に「ひえええ」とか一々反応しているからいじめられるんだぞ。

『学習しろよ……』

「クオ何か言った?」

カノが笑顔で私に問う。

『いんや。何も』

カノに宛てたもんじゃないし。




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