目を剥いて掛けた話
□第8話 弁償するには
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「べ……弁償しないと……」
「弁償ってお前、そんな金どこから出てくるんだ?本でも売るn」
『キド、ストップ』
泣いちゃうよマリーが。
ポロポロ
マリーの潤ませていた目から涙が滑り落ちた。
ほら泣いちゃったよ。
時既に遅し、だなぁ。
「わああ!!ちょ、ちょっと団長さん!!」
『言われても仕方ないんだ。事実、マリーに支払い能力は無いから』
「そ、それにしたってですね……マ、マリーちゃん、ホント気にしなくても大丈夫だから、ね?泣かないで〜」
それで泣き止むなら楽だよ……
泣かないでほしいのは私も一緒だ。
マリーはまだシクシクと泣いている。
「でも実際問題さ、外と連絡取れないのはまずいんじゃないかなぁ。キサラギちゃんにはとりあえずある程度の報告をしておいてもらわないとじゃない?」
『まぁ、今ワイドショーとかで【超人気アイドルが突然の失踪か!?誘拐の可能性も!?】なんてやってるしな』
「う〜ん……まぁそれはそうなんですよね〜……」
『さっきのメールじゃ逆に怪しいし』
「え!?見てたんですか!?」
『まぁチラッとは』
うん。嘘ですよ。
ガッツリ全文見ましたよ。
「マネージャーさんの携帯はともかくさ、自宅の電話番号くらい憶えてるでしよ?」
『その前に事務所のほうは?』
「いや〜ずっと通話中だからしばらく無理じゃないかな」
『そうか』
ずっと通話中ってことは、いろんなところから電話きて同じ質問を何回もされて決められた回答を何度もするのを繰り返してるわけだろ?(多分)
事務所の人たち大変だね〜。
ってか大変そうだ。
まぁ頑張ってということで。
「で?自宅の番号は?」
「……そ、それが……」
「え……?まさかキサラギちゃん……」
「い、いや、数字は苦手というか……!」
いやいや数字苦手とかそんなレベルじゃないよ!?
「た、確か全部の数字を足したら50だっていうのは憶えてるんですが!」
「何だその無駄な情報は」
「うう〜…」
いや、本当に無駄だよ!?
かなり必要ないっていうか全部足して50ってのもある意味ヒントだけど……
だけどさぁ!!
どんだけ膨大な数だと思ってんの!?
電話をかけんの大変だよ!
いや、誰も電話かけようとかそんなこと思わないか……
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