目を剥いて掛けた話

□第5話 まぁそんな感じ
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「いやいや、まぁイイ思い出ってことで……というか【治す】とか言っても信用できないだろうしさ、ちょっとキド見せてあげてよ」

「なんで俺なんだよ。お前かクオがやれよ」

『私のは対象者がいないとわかんないだろ』

「いや、一人でもできるじゃないか」

『まぁな。でも気分的にノらん』

「僕のに至ってはわかりにくいからね。一番わかりやすいのはマリーだろうけど、今絶対怒ってるからめんどくさいし」

「はぁ……わかったよ。まぁ俺のせいでもあるしな」

キドはため息をついて自分の部屋へ行った。

「あの……見せるって何を?」

「あ、いや、なんで君のその体質を治せるかもとか言ってるかっていう証拠をね?」

『多分わかりやすいと思うんだが……』


で、会話終了。

キドはその内戻ってくるよな。


ということで、ソファーに寄っかかって待つことにした。

カノは雑誌読んでるし。



大体一分経過。

「ーーあのぅ……ってうわああああ!!」

ガッ

『……!』

キサラギに勢いよく抱きつかれた。

キサラギはキドにびっくりしたんだろうけど、私はキサラギにびっくりさせられたよ。

「な……な、な、なんで……!?いつ!?」

キドはというと、キサラギに冷たい目を向けていた。

「まぁこんな感じで!ビックリした!?」

『見てわかんねぇのかよ』

あのリアクションからしてビックリしたのは間違いないだろ。

カノの目は節穴なのか?

……いやアホなだけだな。

「はぁ……にしても大げさ過ぎるだろ、その幽霊でも見るような目をやめろ」

「まぁ、似たようなもんだけどね痛い!」

『ホントお前一言多いな。だからそう何度も脇腹やられんだよ』

少しは学習しろよ。


まさかカノって……

マゾ?



んなわけないか……





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