目を剥いて掛けた話

□第4話 ちょっと提案
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「いやいや、でもまぁ悪いことばかりでもない気がするけどね。」

立ち直り早いよな、カノは。

「さっきたまたまネットの生放送でそこの大通りの騒動を観てたn……」

『あ!!』

「え、何?」

「どうしたクオ」

つい大声を出してしまった。

でも私の中じゃ一大事なんだ。

そこの大通りの騒動といえば……

『思い出した……』

「何を?」

『その騒動……私絡んでる』

それだ。

やっと思い出した。

キサラギのほうに体を向ける。

「え?」

キサラギは驚いている。

『ちょっとした出来心で騒ぎを大きくしてしまった。本当にすまなかった』

そう、夕飯の買い出しの帰りの少女がキサラギだったのだ。

今度会ったらちゃんと謝ろうと思っていたのでこの場で謝る。

「え、あの……私には何がなんだか……」

うん、キサラギにはわかんないだろうな。

能力の説明もしてから謝ろうと思っていたのだけど、先に謝ったら説明するのが面倒に思えてきたので略。

「なぁんだ。クオが力使ってたってだけか」

「外ではあんまり力を使うなと言ってるだろ」

カノは全然気にしてないようで、キドには軽く怒られた。

しかしここで油断してはいけない。

ここで何も言わなければ後に小言の嵐となり、最終的には説教食らってしまうおそれがある。

それはかなり避けたい。

なんせ長い。

『まぁ、使わないように心掛けてはいるんだが……じゃなくて、キサラギのアノ【能力】はなかなかよさそうでな、思わず私のを使ってしまったんだ』

軽く言い訳……に見せかけての話題変換!

「よさそうってこいつが?」

話は逸れた。

よし!!

『ああ』

「僕も生放送見ててすごいと思ったけど、君、アイドルやる前から注目浴びる体質だったでしょ?」

「え!?は、はい、そう……ですね……」

なんだか動揺していらっしゃるようで。







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