目を剥いて掛けた話
□第4話 ちょっと提案
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「あ、えと、私は如月桃っていいます。年は十六歳です……」
「キサラギか。にしてもホントにアイドルなんだな。年齢も一緒に言うあたり」
如月桃、十六歳、アイドル、か。
今以外で生で見たことある気がするな……
いつだっけ?
あれ?今が初めてだったっけ?
うーん……寝たせいか思い出せん。
なんて考えていると、キサラギが焦ってなんかいろいろ喋っているようだった。
「ちょっと人と話すとあがってしまって変なこと言っちゃうんですよね!あはは……はは……」
沈黙。
コレはどう話続けたらいいんだろうか。
まあ慰めたらいいか。
「『そうか……な、なんかいろいろ大変なんだな」』
「は、はい……」
わーお、キドとハモッた。
カノがクスクスと笑い出してキドに腹を殴られていた。
その光景が面白くて次は私が笑ってしまった。
まあ、御愁傷様。
「にしてもまいったな……正直に言うと、あんたをすぐにでも家に帰してやりたいのは山々なんだが、下手に話をしてしまった以上、今すぐ帰すのはこちらとしてはまずい」
『だよなー』
「みたいですね……お話を聞く限り……」
「この馬鹿のせいでな」
「あはは、だからそれはキドのせいだってさっきから言って」
キドと私がカノに顔を向けると、
「……ないかも」
即刻訂正してくれた。
『いやー良かったよカノが話のわかる奴で。訂正してなかったら今頃わき腹に一撃くらってるだろうしな。まあ既にガードはしてあるようだが』
「そんな笑顔で言われても」
そう思われるようにやってんだよ。
察しろ。
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