目を剥いて掛けた話
□第2話 外で買い物
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メモには買うものリストとという表題に続いて
うどん、レタス、パプリカ、ごまと箇条書きされていた。
この材料から推測するに今日の昼食はサラダうどん。
そう思考が行き着いたクオは口角を上げる。
なぜならクオの好きな料理だったからだ。
正直キドが作るものならクオの好きな料理になるのだが。
早く買って帰って作ってもらおう
そう考えてニヤける口元。
他の人の目線に気づいて顔の筋肉を引き締める。
変な人だと思われるのは心外だ。
ただただ妹の手料理を楽しみにしている姉であるだけなのだから。
夕飯はどうしようかな?揚げ物はキドの麗しい手を火傷させてしまうかもしれない。そもそも今日は気分じゃない。暑いし。丼物も今日は暑いしやめておこう。しかしだからといって冷たい食べ物ではキドの身体に障るかもしれない…
いや、とりあえず早くキドの作ったご飯が食べたい。
なんて考えていたらいつも通っているスーパーに着いた。
パッとかごを手に取りパッとメモにある物を選んでかごに入れパッと会計を済ませる。
何か忘れてるようなとクオは思ったものの頭の中は、50%キド30%サラダうどん15%音楽、本5%その他、でいっぱいであった。
だから何を忘れたとか思い出せずにいた。
立ち止まったからと言って思い出せる訳でもないと割り切り帰路につくことにした。
ふと上を見上げると眩しすぎる太陽が青い空の一ヶ所からこの場を照らしていた。
アジトのドアをくぐったところでようやく忘れ物に気づいた。
『ただいまー、キドーサラダうd…ああ!!』
「な、なんだ?」
キドの手料理を渇望する一心で買い物したせいで忘れていたと気づき、大声をあげてしまった。
それによってソファで雑誌を読みながら寛いでいたキドをびっくりさせてしまった。
カノもビックリしていたがこの際カノはどうでもいい。
でも本当に大切なことを忘れていたものである。
「夕飯の材料買ってくんの忘れた……」
台所に昼飯の材料を置きながら、クオは落胆する。
「なんだ、そんなことか」
当のキドはどうでもよさそうだった。
カノはソファーに突っ伏して笑うのを堪えていたようなのでポコンと叩いた。
「ちょっとは手加減してよ」
その顔は手加減しなくてもいい顔のようだったのでそのまま無視した。
『あー行きたくねー外暑いんだよー』
「とか言いつつ外に行くんだね」
ドアに向かって歩きつつ呟くとカノが返した。
カノの方に目をやると彼は既に雑誌に目を向けていた。
『だって夕飯無いのは嫌でしょ?』
私が面倒臭気に言うと、まあそうだね
と苦笑された。
『ちょっと本屋にも寄ってから帰るね!』
だから少し帰るの遅くなる!とキドに伝えると熱中症に気をつけるよう忠告してくれた。
私の身を気遣ってくれるなんてやはりキドは天使…
『キドもね!室内にいるからって油断しないように!カノ、不本意だけどキドのこと頼んだよ!じゃ行ってきまーす!』
「最後の一言余計でしょ…」
不満を垂れるカノにまあまあとおざなりにキドは返した。
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