目を剥いて掛けた話

□第2話 外で買い物
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クオ、キド、カノの三人は朝食を食べ終えた。

いざスーパーへ!と意気込んで玄関の扉に手をかけようと腕を伸ばすと、キドに呼び止められた。

「クオ、これ買う物のリスト」

クオの目の前には必要最小限のことが書かれたシンプルなメモ用紙が差し出されていた。

「……うん、ありがと」

クオは買うものを知らないままでかけるところだった自分にショックを受けていると顔の前で振られている手に焦点が徐々に合っていく。

「おいクオ、聞いてるのか」

キドは手を振るのをやめ、私に疑いの目を向けながら聞いてくる。

「ごめん、聞いてなかった」

「だと思った……もう一度だけ言うぞ?」

「はい。サーセン。お願いします」

キドの呆れ顔も美しく尊いという気持ちが先程のショックを打ち消し、クオの顔は綻ぶ。

「夕飯はクオが決めていいからその材料メモに書いてあるのと一緒に買ってこいよって言ったんだ」

キドは少し面倒臭そうに先程述べたであろう言葉を連ねた。

「うん、了解」

「じゃ、車には気をつけろよ」

はーいと子供のような返事をし、クオはドアを開けた。

今日の夕飯のリクエストを気分上々に考えながら眩しい外へ足を進めた。



夕飯のリクエスト権に浮かれてクオは忘れていた。

眩しい外なんてものではなかった。

家から出ればそこは蒸され焼かれる別世界なのだと。

さらに今の時期はお盆という特別期間。

小・中・高校、大学生、そして社会人(一部を除く)が休み。

つまり、朝とはいえ人がいっぱい。

暑さと人で気圧されている。


が、そこは耐える。

そう、クオが今手に握っているのはキドの直筆メモである。

そのメモと共に現在抱えている夕飯決定権。

これを動力に前を向いて目的地を目指す。

クオは近くのスーパーへ足を進めつつチラリとメモ用紙を見た。




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