目を剥いて掛けた話
□第21話 Let's脱出
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マリーを発見したは良いけれど状況的によろしくないということで
「「うわああああああああ!!」」
キドとキサラギは悲鳴を上げた。
『君らホント元気だよね』
お姉さん耳鳴りがひどいよ。
今日何度もあった悲鳴のせいで。
せめて離れたところでお願いしたい。
「あ、あの馬鹿……!あれを返しに行こうとしたんだ!」
『マリー、ちゃんと返しに行くだなんて律儀な子だよなぁ』
「クオさんそんな悠長なこと言ってる場合じゃないですよ!ど、どうします!?これ相当まずいですよね!?」
「ぷっくく……ああ、あれが例の無精髭をぶっ叩いた電気アンマ!でもなんであんなもの……なんかのギャグ!?ひぃ……お腹痛、痛い!」
「お前は少し黙っていろ!!くそっ……どうする……」
カノはキドに殴られたため床に倒れこんだ。
私はからかうためにカノのそばにしゃがむ。
『さすがバカノ!キサラギに黙ってろって言われたんだからそのまま黙ってりゃよかったのにな!』
「そう……だね……」
おおぅ……
めっちゃダメージくらったのかな?
ここまで萎れてると焦ってきちゃうね!
ツンツンとカノを突っついているとキサラギの焦った声が耳に入った。
「だ、団長さん……マリーちゃんこっち指差してません……?」
「お、おいばかよせ……」
二人が焦っているのをよそに警官の一人がマリーが指差した方向、私たちがいるこの場所にどんどん向かってくる。
「う、うわぁ!!こっちに来ます!!ちょ……カノさん邪魔!!早く立って!!クオさんも!!」
「キドに……みぞおち……殴られた……」
『ああ、だからこんなにダメージくらってたんだ!』
そう納得しながら立ち上がる。
「カノおま……早く立て!ってあああ……」
キドの情けない声に次いでこちらに向かってきていた警官がカノにつまずいて転ぶ。
警官がカノに触れたことによりキドの能力が解ける。
警官の目に私たちの姿が映ったのだろう。
「うわあああ!」
声を上げられた上に尻もちをつかれた。
私たちまで質問攻めにされるのはごめんなので私の能力からマリーの能力を発動させ少しの間止まってもらうことにした。
せめて体をびくつかせるあたりで納まらないのだろうか?
というのは、やはり能力を持っているから言えてしまうことなのだろう。
「に……」「に……」
「逃げるぞ!!」「逃げましょう!!」
こんな状況だし、キドは傷ついたりしてないかな?
まず逃げることで頭いっぱいだろうし。
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