目を剥いて掛けた話

□第20話 作戦完了?
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銃声が耳に響いた。

シンタローが倒れこむ。

倒れこむ?

もしやこれは死んでしまうパターン……?

また、目の前で、私のせいで私に関わった人が死ぬ?

その場から動けない。


覆水盆に返らず


今更考えても遅いのに思考は止まらない。

ちゃんと考えていたら、もう少し気を配っていれば、もっといろんな事態に備えていれば、もう少し時間があったなら……


また人を死なせるなんてことには――


「クオ!ボーッとするな!動け!」

『!』

キドからの叱咤に驚き、思考停止。

そうだよ。

まずは、動かなくちゃ。

反省はその後だ。

「……お兄ちゃん!!」

キサラギが叫ぶ。

私とカノはキサラギ兄のほうへ向かう。

カノは向かう前に余裕のないキサラギに言った。

「ほらキサラギちゃん!シャッターがもう開いちゃうよ!早く!」

「――ッ!!」

指摘されて作戦遂行中であることを思い出したようだ。

余裕がないのは私も一緒みたいだ。

周りが見えてない。

状況確認しながらいきますか。

シャッターの開いたところからたくさんの警官の足が見える。

フロアは今までで一番うるさい。

テロリスト数名はフロア内に響いてる音量より大きな声でシャッターを指差し、何か喚いている。

そろそろ警官が突入してくるだろうから、キドたちも動くのだろう。

ここまで来たからあとは三人に任せて大丈夫だね。

あとは――

『カノ、キサラギの兄貴さんは……?』

私は立ったまま、しゃがんでキサラギ兄の容体を見ていたカノに問う。

「残念だけど……」







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