目を剥いて掛けた話

□第17話 能力と作戦
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先程、シリアスな雰囲気がどこかに行ったせいで今この場所はとてもいたたまれない雰囲気みたいなものに包まれている。

原因はもちろんカノである。


「団長さん……ええっと……」

「……一応現状はやばい状態に変わりはない……」

「カノ楽しそう〜」

『カノって実はKY……?』

出かける前といい今といい……

【修学旅行生のテンションが高すぎる記念写真】的な写真を送りつけられたこちらの身にもなってほしい。

今の状況の雰囲気がよくわからなくなってきた。

……まあ、どうせわかっててやってるんだろうけど。

「でもホントこれなんで縛られてないんですか?やっぱりアホでも縛られますよね?」

『うん。現実はアホでも縛られる』

「周りの奴にはカノも怯えて捕まってる姿に見えているはずだ」

「あ、カノまた変装ごっこしてるの?」

「え……?それってどういう……」

『簡単に言えば、カノは【目を欺く】能力なんだ。キドの能力が【透ける】だとすると、あいつのは【違うものを見せる】って感じかな。……今の説明で理解できた?』

うーん、うまく説明できた気がしない……

「イマイチちょっと……」

やっぱり?

「要するに可愛い猫だと思って家に連れて帰ったらでかい犬だった、みたいなもんだ」

「わ。キドたとえ話が可愛いね〜」

『実はカノのことまんま言ってたりする?』

私とマリーがクスクス笑いだしたらキドが赤くなった。

本日二度目ですなぁ。

「あ、いや、ふざけるな。ど、動物に興味はない……」

ということは興味あるんだね?

「つまり騙し絵みたいな能力ってことですか……?」

『まあ、そんなところだね。ごめんね。分かりずらい説明しちゃって……』

「い、いえ!大丈夫ですよ!私が理解するの遅いだけですし!この間のテストも……2点でしたし……」

キサラギは声とともに表情までブルーな気持ちになっていってるようだ。

『キサラギ、ごめん。でも、次はいい点取れるよ。なんなら教えるし、な?』

なんかキサラギに何度も謝っている気がする。

慰めとと言ってはなんだけどキサラギの頭を撫でる。

一瞬キドがムスッとしたように見えたけどもう一度みたらいつも通りだったので気のせいかなと思い直した。

キサラギの機嫌が直ったところでキドがカノの能力の説明を再開した。

「ただあいつの能力は規模が小さいからな。自分自身にしか反映できない」

「え?」

「デパートに来る時も、お前には見せてなかったがずっとキョロキョロと辺りを監視していたぞ。」

『そういえば自転車の時もしてた?』

「ああ」

ああ、やっぱり。






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