目を剥いて掛けた話

□第12話 只今移動中
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えーと、前回の流れ?で、今デパートに向かっているところだ。

最初にキサラギを見つけたところにまた来ることになるとは……ホント先のことは予測できないね。


大通りは朝より人で溢れている上に暑い。

『やっぱり出かけんのは朝が一番いいな……』

「あ……なんかすみません……わざわざついてきてもらっちゃって……」

ただの独り言だったのだが、出かけたくなかったかのように取られてしまったらしい。

『あー……いや、確かにあまり出かけたいとは思わなかったけどみんなで出かけるのは好きだから、気にしないでいいよ』

「はい……それにしてもなんか……新鮮ですね……」

キサラギがわくわくしているのが雰囲気で伝わる。

わかりやすい。

『それを私らに言われてもね……』

「にしてもカノの奴いつまで気づかないんだ」

歩道の少し先にいるカノが私らのほうを見ていた。

しばらくするとハッとして満足そうにこちらへ戻ってきた。


「うん、全然ばっちりだね。っていうか本気で探してやっと見つけたよ」

「時間をかけすぎだお前は」

キドはため息をつく。

『まったくだ。私がギリギリまで弱くしても気づかねぇし』

あれでも頑張ったんだよ、とカノが私に抗議してきたがスルーした。

また、キサラギの頭の上には?がついていたのだがそれも敢えてスルーさせてもらった。

「しょうがないじゃん、見えないんだもん」

カノは笑顔のままぼやく。

だもん、て。

「は〜……ホントに見えなくなっちゃうんですね……」

「うーん、なんだろ。見えてるんだけど気づけないって感じ?改めて体感するとホントむず痒いよこれ」

「そうなんですか?」

キサラギが私のほうを向いて聞く

『そうだな……一応視界には入っているはずなのに気づけないから見えないように感じるってことだと思うんだけども』

チラッとキドを見て確認を取る。

「大体それで合ってるだろ」

『そういえば【隠す】のって使用範囲半径何メートルくらいだっけ?』

この前なんか測ってたらしい

「2〜3だ」

「任意のものもそのくらいまで【隠せ】るようになったんだからすごいもんだよね」

『お!成長したじゃん!よしよし、頭撫でたげよう』

手を伸ばすとキドに腕をつかまれ一言。

「恥ずかしいからやめろ」

拒否られた。

超哀しい。




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