目を剥いて掛けた話

□第10話 雑談から準備
1ページ/3ページ


マリーの埋める発言について私たちは話している。

ホントに何埋めるつもりなんだろう?


と思いつつマリーを見ていると、マリーは先程割ってしまったカップの破片を布の袋に入れていた。

カチャンと音がしたので皆はマリーの方を向いた。

キサラギは、

「あ……」

と声を発した。


続けてキドとカノも喋る。

「あぁ……埋めるってそういうことか」

「あれ大事にしてたもんね、マリー」

『私らに使わせないくらいだったし』

泣き出しそうな顔でコンビニの袋から布の袋に破片を入れていくマリーは、とても愛らしかった。


何かを大切にできるっていいよね……

はたして私は、そんな大層なことをできるんだろうか。


「……団長さん、ちょっといいですか?」

「ん?なんだ?」

「携帯屋さんって近くのところじゃなくても大丈夫ですよね?例えば携帯電話コーナーのあるデパートとかでも……」


なるほど。

何か買おうって訳ですか。

キサラギってまさに女の子って感じの子だから多分お揃いとかになるんだろうなぁ……

一応言っておく。

決してキドのことを女の子じゃないと言っているわけではないのでそこのところヨロシク。



キドは口元をゆるませ、

「外に出るなら、別にどこに行こうと大して変わらん。好きなとこにしろ」

と言った。

「あ、ありがとうございますっ!」

「いいんじゃないかなぁ?マリーもデパート行ったことないから喜ぶよ。キドがいればもろもろ安心だし?クオがいれば絶対に安心だし?」

カノも笑顔で言う

『いや、私がいても絶対安心にはならないよ?』

私がいれば絶対安心というのに反論する。

サポートみたいなことをしているだけだから絶対安心はないだろうよ。

「いや、結構力になってる。もっと自信持ってもいいと思うぞ、クオ?」

『キドそれホント!?』

「ああ」

ちょっと!

いやマジでちょっとこれ嬉しいよ!

キドの力になれてるってさ!

嬉しいなぁ……!

「僕の言葉は信用できないってこと!?それおかしいでしょ!!」

『え、まぁそれなりに信じてるよ?ただキドのほうが無条件で素直に受け止められるってだけで』

「クオヒドイ……」

カノが部屋の隅っこでウジウジしているがそんなことは気にしない←

それより、今日はいいこといっぱいありすぎて今後が怖いなぁ……

でもいいや、今楽しいし。


「まぁデパートに行くかはマリー次第だな。お前から誘ってやってくれ」

キドはキサラギの背中をポンと押し、キサラギはマリーを誘いに台所へ向かった。




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ