目を剥いて掛けた話

□第3話 発端は昨日
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クオはめちゃめちゃ疲れている。

そう、なぜなら走って帰ってきたから。

疲れている上に空腹だなんて二重苦つらい。

いいもの見れて帰ってこれたのはよかったけど。


顎から滴りそうな汗をぬぐってからドアノブに手をまわし開ける。

冷房のひやりとした空気が心地いい。

『ただいまー』

「お帰りー」

帰宅の言葉に返してくれたのはカノだけだった。

出かける予定なんて聞いていなかったが、ぱっと見カノしかいなさそうだった。

とりあえず考えても腹は満たされないと思い、買ったものを入れるために冷蔵庫を開ける。

「あ、クオ、キドが小腹が減ったらアイスでも食っとけってさー。冷凍庫にあるって言ってたよ」

ソファーの方からカノが私に声をかけた。

『マジ?やった』

さすが我が妹。私が暑さで死にそうになりながら帰ってくることを見越してたのか?

それでこんな気遣いを?

最アンド高。

一生一緒にいような…


さて冷凍庫を開ければ目に飛び込んできたのはガリ●リくん。

『いただきます』

私は袋をバリッと開けてガ●ガリくんを食べ始めた。

ほんと暑い日にいいな。安いし。

余談だが、ガリ●リくんは好きだけどソーダ味はあんまり好きじゃない。

期間限定のやつが好きなタイプだ。

何も書いてない棒に少し落胆しながら空腹が落ち着き満足する。

『ごちそうさまでした』

頭にブドウ糖がいったのか頭の回りが良くなった気がする。

そうだった。予定は聞いていたはずだ。

キドは今日出掛けるんだっけ。

マリーはどうしたのか…

『カノ、マリーは……って』
 

カノの方に目を向ければソファの上ですやすやと寝ているのが見えた。

まあ、今日無理矢理起こしてしまったし寝かしといてやろう。

うーん自分で言ってしまうがクオさん優しい。

そうでもないな。優しかったらそもそも無理に起こしてない。

そうやって一人問答を続けていると、空腹がおさまったせいか眠気が襲ってくる。

いや、今日早く起きたことも原因かもしれないが。

それに目の前に寝てる奴もいることだし。

『んー……』

眠気を覚まそうと背伸びをしてみたが、一向に覚める気配はないようだ。

むしろ伸びた感覚が気持ちよくて睡魔として襲ってきた。


もう目を開けるのも辛い。

しかし今寝てしまうのはちょっと…。

数分睡魔と格闘していたが結局睡魔に負け、カノが寝ているソファーの向かいのソファーで寝た。





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