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□MerryHappyBirthday
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「メリークリスマス!」
声に続いて、パンっ!と、クラッカーの音が鳴る。耳元でなったそれに飛び起き、こちらを睨み付けてくるのはキド。
メカクシ団の団長でもあり、私のかわいい大事な妹でもある。
その妹が寝ぼけ眼で睨み付けてくる。
『…今何時だ』
「んー…、朝の2時」
素直に答える。所謂軽い寝起きドッキリというものだ。よくあるお正月番組の早朝バズーカ然り、クワガタに鼻をつかませたりするあれのクリスマスバージョン。キドなら笑って受け流してくれるだろうと思いやってみた…まあ本音はキドの寝顔を写真とるついでだったわけだけど。
『クオ…時間を考えろ!』
ゴンっという音とクオの叫び声が早朝のアジトにこだました。
***
『クオ、どうしたっすか?』
『クオ…泣いちゃったのかな、セト』
「どうせ私が悪いですよ。わかってる。でもだからって拳骨しなくてもいいじゃない。
やるならカノに拳骨すればいいのに…こんなの理不尽だよ」
『いや、それクオの言ってる事が理不尽だよ!?』
今、時計の針は10時を刻んでいる。
早朝ドッキリからキドは自分と目もあわせなければ口もきかない。完全にご立腹状態のようだ
『キド。クオのネガティブが治らないんだけど…』
『カノもほっておけ。時間がたてばケロッとした顔で元に戻るだろ』
キドキドキドキド…と呪詛の様に呟き続けるクオを他所にカノとキドはそんな話しをしている。対称的な一人と二人を見て戸惑うマリー。慰めるセト。
そしてその様子をこっそりと眺めるモモ。
『お兄ちゃん』
パタンと微かに開けていたドアをしめ、モモが机に腰かけるシンタローに声をかけた。
くすくすと小さな笑い声がシンタローが使っているパソコンからきこえる。
『今の所は何もないみたいだな…』
『流石ご主人です…!』
パソコンの画面にはエネと最大化されたメモ帳が映っている。
――――ピピッ!
スピーカーから小さなアラートが鳴る。それを聴いたシンタローが画面下に申し訳なさそうにある最小化された項目をクリックする。
表示された黒い画面にはたくさんの文字の羅列。その一番上、とついている文章に目を向ける。
10:15:20
第2パターンに移行だ。