短編

□怖い夢
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今回はキドsideで進めます!





アジトの居間でくつろいでいたらクオが深刻そうな面持ちで話し掛けてきた

『キド……』

「ん、何だ?」

『あのさ……前々から言わなきゃな〜って……思ってたことがさ、あるんだけど……』

なんだか今日のクオは歯切れが悪い

いつもならズバッと物事を言うやつなのに……

「なんだよ、俺ら姉妹だろ?勿体ぶらずにさっさと言え」


余談だが腹違いでもクオと姉妹であることを嬉しく思っている

まあ、変に際立ったところはあるが
例えばシスコンなところだとか

しかし、よく、何かとクオは親身になって俺の手助けをしてくれる

ごくたまに面倒なこと(ダー●マター事件)を起こすこともあるが良い姉だ

『いや、その姉妹だって話についてなんだけどな?』

「…………それで?」


はっきり言って悪い知らせを聞くことになりそうでその先なんて聞きたくなかった

しかしそんな気持ちとは裏腹に口から言葉が出ていた

『本当はさ、私ら腹違いの姉妹じゃないんだよな。実は私、異世界からトリップしてきたんだ』

クオは苦笑いしながらそう告げた


「からかうのは止めてくれよ」

なぜだか表情はひきつり声が震える

『いやー……その……現実……ですねぇ……』

視線を逸らされた

『まあそんな訳でして、ちょっと元の世界に帰らないといけない……みたいな?』

「疑問形にされても困る」

呆れたように顔を手で覆う

『ですよねー……』

とりあえず言葉を発するも俺の頭の中は混乱したままだ


ふと顔を上げ、クオを見ると先ほどの愛想笑いのような苦笑いのような表情は消え、無表情で俺の前にたたずんでいた

『……ということで、世話になった。また会えたら会おう。偽の私の妹よ』

クオはくるりと踵を返しスタスタと歩き出した

私の頭の中にはクエスチョンマークばかり浮かぶ


嘘……だろ……?

嘘なんだよな?

どうせあとで『どうだった?さっきの演技』とか言ってくるんだろ?

またいつもの笑顔で俺の前に立つんだろ?

「“偽の”ってのは結構傷ついたな」って言ったら『うわ!ゴメンなキド』って返すんだろ?

もう戻ってこないなんてことはないんだよな?

小さいとき『もう一人にはしないから』って言葉は守ってくれるんだよな?


なあ、そうだろ?

なあ、そうなんだろ?




いつの間にかクオは俺の視界から消えていた




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