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□MerryHappyBirthday
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『よし、私の出番…』

『がんばってください妹さん!』

エネの声援をうけたモモが部屋からでていく。

***

『あの、この状況は…』

そう言ったモモの目の前には隅で体育座りをしているクオとこそこそと話す他の団員。
モモの声にととと…っとマリーが近づいてくる。

『あ、あのね、クオがキドに嫌われちゃった…』

グサッと、音がした気がした。
「やっぱり嫌われたんだ…」

ボソッと呟いたクオが更に小さくなっていくようだ。それをみたマリーが小さな悲鳴をあげてセトの後ろに逃げていく。

『クオさん、大丈夫ですよきっと!今は嫌われていてもきっと仲直りできますよ』

「…きっとって事は、仲直りできない可能性もあるんだ」

『だ、大丈夫ですよ!
団長さんならきっと笑って許してくれますよ!』

そう言ってキドの方へとアイコンタクトを送ってみる。

『許すわけないだろ』

それだけでとどめの言葉には充分だった。バッと立ち上がったクオが走って、奥の部屋へ消えていった。

―――ピロン!

モモの携帯からそんな音がした。画面に目をとおすとNew!とついた文章が目にとまった
10:30:30
流石はアイドルだけあって演技力はすごいねー!

10:30:35
流石だキサラギ

モモとは正反対の方向。くすくすと、猫目とフードが小さく笑った気がした。

***

そしてクオが引きこもること9時間。再びアラートがなる。

19:00:00
最終段階。いくぞ

その数十秒後、8つのNewの文字が縦に並んだ。



コンコンと、誰かがドアをノックした。

「うぅ…誰…」

『俺だ。』

聴き馴染んだ声に潜っていた布団から飛び出して鍵をあける。その間僅か二秒。

ガチャっとドアをあげた先には妹のキドがムスッとした表情で立っていた。


『許してほしいなら来い…』

そう言ってキドは足早に廊下を歩いていく。クオは呆然としていたが、直ぐにその後を追いかけていく。
ただ、キドの姿はどこにない。既にリビングまできたがキドだけではなくカノもセトもいない。

「あれっ…キド、みんな?」

不意に、誰かいないはずなのにリビングの電気が消える。

「ひっ…」

そして次の瞬間…

―パン!

『ハッピーバースデー!』

「きゃぁぁぁぁぁっ!!」

悲鳴とお祝いの声が同時にあがった。
 
 
 
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