短編
□ポッキーゲーム
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『うーん、やっぱりこの案は諦めるか。カノがキドのこと好きだからってだけでアジトから出すのも理不尽だしな……おい、カノ』
「何?クオ」
『別にキドのことを好いていても構わないが私の目が黒い……赤い?いや、黒い内はキドは嫁になんか出さないからな!』
「僕キドのこと好きなんて言ってないのに」
ぼやくがやはりここもスルーらしい
『くぅ……!本当なら今にでもボッコボコにしてマリーに目を【合わせ】てもらって粗大ゴミに出しに行くというのに……!』
「ねぇ、僕って粗大ゴミじゃないよね!?」
これ軽く人権の侵害じゃない!?
『キドに危害を加える奴は抹殺してやってもいいよ☆』
「怖っ!その発想怖っ!っていうか話通じてない!」
クオは落ち着こうとしたのか数回深呼吸をして、キドのほうに視線を移した
『とりあえずキドのこと運ぶか……、床に寝かせたままってのはよくないよなぁ……』
なんて言いつつキドのそばにしゃがんでいた
「あ、スルーされた。クオ、僕がはこb……」
僕が運ぼうか?と聞こうとしたら
『触るな。キドが汚れる』
と真顔で言われた
「ヒドイ……」
キドをからかった代償がこれって……
隅っこで体育座りをしていると
『プ……ククッ……アハハハハハ!!』
「え?」
クオが腹を抱えて笑い出した
『すまんな、カノ。結構前から冗談だ。いやはや、お前の反応はホント面白いよな。じゃ、キド運んでくるわ』
……急展開過ぎてついていけないや
クオはキドを俗に言うお姫様抱っこというもので抱えて移動しようとする
そして部屋を出る前に僕のほうに振り向いてこう言った
『あぁ、なんだ、キドとのことは応援したくないが、してやらんこともない。まぁ一応考えとくよ』
クオはキドとともに僕の視界から消えた
「……だからキドが好きなんて言ってないって」
クオ、人の話はちゃんと聞くべきだよ……
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