なまいきざかり

□第二話
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いや別に
あの女のコと成瀬がどこでいつなにしよーと
私には関係ないじゃん


「(なんだか最近ムダなことばっかり考えてる気が…)」


―――そうだ
あいつに関わるまでこんな事なかったはずだ

こんな風に迷ったり
何かに振り回されたりしないで
もっと自分を抑えることができたのに―――


リストバンド…

「(…そういえば
あいつこーいうのしないな…)」


似合いそうだけど…


『(あっ由希センパイ)』



「(バカタレ
プレゼントなんて買ってどーすんだ
誰に渡す気だ)」


『(百面相…かわいい。)』


「(これじゃまるで…)」


『由希センパイ』


「!!!???えっちょっまりかちゃん!?」


『おつかれさまです!
色紙ありがとうございました!私も買い出し終了してますよ。』


「あっ…こっちこそありがとう。」


『リストバンドですか?』


「ひっっいっいやこれは別に」

やっやばいまりかちゃんにバレるわけにはっ


『……あぁ翔にですか
そういえばあいつはこーいうのしてないですもんね』


「(!!!???バレたーっ)いっいやちっちがうよ
なんでわたしがあいつにっ」


『(ん?この感じからしてまだ抵抗あるのか…)あーそうなんですね
すみません。勘違いして…』

「(ほっよかった…まりかちゃんも成瀬と似てて感いいからな…)うっううん、大丈夫!」


『…センパイは好きな人いるんですか?』


「えっ!!??いっいやいないよ!!ん?わたしは?」


『私はいます…小学生のときから思ってる人が…大抵みんなこの話したらバカにしてくるんで話さないんですけど』


そう話すまりかちゃんの表情はいつもの成瀬と同じ無表情と違って悲しげだ


「(悲しそうな顔もかわいい。。。)」


『…まあ私が何を言いたいのかというと
もしだれか好きな人、気になる人がいるのであれば
素直になった方が絶対いいですよ。
伝えられる距離にいるならなおさら。
たぶん恋って色んな感情があると思いますけど
その人のことばかり考えちゃってたらそれはもう絶対恋だと思います。』


「えっ…」


『ふっ(あとはセンパイしだい、がんばれ翔。あともう一押し)では失礼します』


まりかちゃんはきれいに笑うと
いい匂いを残してさっそうと帰って行った



「(笑った顔やばい…目がチカチカする。)」



結局私はリストバンドを買ったのだった。
まだ認められないが…あいつを思って…








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