アオハライド

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次の日
屋上



陽一は双葉と悠里が監視してくれるということで修子に呼び出された屋上にやってきた



修「文化祭の前の日
先生の立場も考えないで家に行っちゃって
本当にすいませんでした


先生の立場を悪くしたくないって
思ってるのに
今もこうして呼び出したことも
すいません」



陽「いや うん…
まーそうだね」


修「でもちゃんと全部伝えないと
私はずっとこのまま進めない気がして」


陽「…村尾」


修「先生聞いて
先生を困らせるの最後にするためにも
ちゃんと聞いてください」


陽「…わかった」



修「先生 私ね
この高校入ってからも全然つまんなくて

先生に自分の居場所作れとか言われても
「何クサイ事 言ってんの」
って思ってました」


陽「はははっ
うん」

陽一は先程までの真剣な顔から優しい顔で修子をみてくれた


修「学校には田中先生がいれば
それでよかった

だけど双葉と悠里と仲良くなって
学校がどんどん楽しくなって


気づいたら
入学したばっかりの頃に見えてた景色と
全然違う今があって


先生が言ってたのはこの事なんだ!
って思って」



陽「うん」



修「本当に田中先生の言うとおりだった
って思ったら

私はもっともっと田中先生の事…



先生っ 好きです」




陽「………」




修「………
もしも先生が教師じゃなくても
答えは同じでしたか?」



陽「『もしも』なんてない

そんな話しても意味ないじゃない
だって俺実際 教師だもん!


…それに俺には昔からずっと心に決まってる人がいるんだよね


俺はねどこかで浮かれてたんだ
絶対に応えてあげられないって
分かってるくせに

村尾との距離をちゃんととらなかったのは
突き放すのは心配だったっていうのも
あったけど、生徒に頼られてることに優越感があったんだと思う」



修「…………
先生は少しも
私を好きになってくれなかった
…ですか?」



陽「嬉しいと思ったよ
でもそれ以上の気持ちにはなった事ない

さっきも言ったように俺がそういう気持ちになるのは世界でたった一人だけだから」


修「………
分かりました


先生
聞いてくれてありがとう

ちゃんとここに来てくれてありがとう」


少し涙を流しながら修子はドアに向かった
そのまま陽一は修子を見つめていると急に振り返り笑顔で陽一に話しかけた


修「……
先生っ

ホクロの件はウソだったんですか?
まあもういいんですけど!
私以外の人にホクロ見せてもいいですよ!

まりかさんとお幸せに!!」



陽「!?気づいて!!?」


修「相手は今まで分からなかったですけど
昔からって言われて気づきました
まりかさんなんだって」


唖然とする陽一


陽「……」


修「じゃあほんとにありがとうございました」













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