アオハライド

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修子side




修「(よしおーわり)」



ゴミを捨てに行った私はゴミ捨て場の近くにサイフが落ちているのを見つけた



修「おサイフ…
こんなとこに落として
ゴミと一緒に捨てられちゃうよ?」



誰のか確認するために中を見るとそれは田中先生の物だった



修(先生まだいるかな?)


そう思いながら職員室に行ってみたがもうすでに誰もいないみたいでカギが閉まってた


用務員室に届けようとも思ったけど…


先生がきっと困っていると言い聞かせて
先生の免許証を見て家まで行ったの





先生の家に着いてインターホンを鳴らせば当たり前だけど先生が出てきた


陽「えっ!?
なんで?」



怒られるかなっと思いながらとりあえずホントのことを話した


修「困ってるんじゃないかと思って免許証の住所見ちゃいました
すいません」


陽「あ 俺のサイフ!!


よかったみつかったーーーー!
村尾が拾ってくれてたのか〜〜〜〜」


怒ってはいないっぽかった


陽「車で送ってやりたいとこなんだけど
俺ビール飲んじゃったんだよね
ごめんなーーー」


修「どっちにしろ
車学校じゃないですか!」


陽「あ そっか!


あはははっ」


修(テンション高…
ビールのせい?かわいい)


修「…じゃあ」


陽「送るよ 駅まで
徒歩だけど

カギ取ってくる
待ってて」



そう言って家の中に入っていく先生を横目で見ているとつい家の中を見たくなってしまった
見ちゃいけないと思いつつも見てしまったんだ


無防備に開け放したドアから見えた先生の部屋
男の一人暮らしのはずなのに綺麗に片付いててそこそこ可愛らしい色合いの小物が見えた


あれっ?
そう思った
もしかして…
そんなことを考えていると先生が来た


陽「お待たせーーー
行くか」



先生は子どもみたいに塀に上って
手をピンと横に伸ばしながら歩いている

かわいかった
でも見なければよかったと今では思う
先生の左手にいつもはついていない装飾品が薬指についていたからだ


私は唖然としてしまった
あれは先生が酔っぱらって間違えて付けちゃったんだと思い込み
とりあえず忘れようと先生とおなじことをしようとした
すると上ろうとした私を先生は止めた


陽「ダメだよ
ケガして傷が残ったりしたら 困る
大変なんだからな」


その言葉が嬉しくてつい指輪の事は忘れていた
それは先生のもっとも身近な人のことを思いながら言った言葉だと知らず



修「もし
そうなったら嫁に…
なのでむしろ」


陽「なんだ
それ村尾の持ちネタか
『嫁』って」


修「持ちネタってわけじゃないですよ」


陽「なんか
なつかしいなー」


修「あ
せんせぇー」


陽「ん?」


修「久しぶりに見たいです
先生の隠しアイテム」


陽「えーーーーー
やだーーーー」


修「なんでですか
おサイフ届けたごほうび!!」


陽「やーだよ〜〜〜だ」


修(ケチ!)


陽「なーーーんて


じゃーーーー
特別っ!」


そう言って目をつぶる先生を見て
やっぱりずるいと思った
そして同時に全く相手にされてないことも分かった


彼女がいるかもしれないということも頭に浮かんだ瞬間
あぁ先生の相手の人は色んな先生の顔を知っているんだと想像すると嫉妬にかられてしまい勢いで
先生にキスをしてしまった


すると先生は何事もなかったようにキスのことをスルーした


陽「駅 もうすぐだな」


修「私は先生が思っているよりずっと本気です

それだけは分かってください


あとはひとりで帰れます
さようなら」






教師とか生徒とか先生の相手の事とか
そういうのは全然考えてなかった


全然考えられなかった







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