◇咎狗の血◇

□Contro
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「……………」



言葉として成立していないこの言葉を聞いたグンジはアキラの首を絞めたままただ黙っていた。

そして言った。



「俺、優しいから生かしてあ・げ・る♪」



そう言ってアキラの首から手を離した。

アキラは咳き込みながらその場に座り込んだ。

グンジはしゃがみアキラの顎を持ち上げ、ただし…と続けた。



「俺の物になってくれる。っていう条件ね」



アキラはこれに対し、すぐさま答えを出した。



「嫌だ。お前の物になるぐらいなら死ぬ方がマシだ。」



そうキッパリと言い切ると、グンジは不思議そうな顔をした。



「どうして〜?毎日豪華な食事やベットで寝れるんだぜ?何で死を望むんだよ」

「……だからさっきも言ったようにお前の物になりたくないからだ。」



グンジのバカっぷりにアキラも呆れた。

それでも尚グンジは不思議そうな顔をした。



「何で?俺優しいからネコちゃんの思ってるようなことしないのに」



どこがと思うアキラ。

それもそのはず。

グンジは話しながらアキラの首筋を愛用の武器ナックルで傷をつけて血を流させているのだ。

それに前に一度捕まった時(その時は隙が出来た時に逃げた)なんか無理やり性行為をさせられたアキラ。

溜まっていたのかなんなのかは知らないが、レイプに近い性行為だった。


アキラはこの逃げられない状況で死ぬ覚悟をした。

今、この場で舌を噛み切って死のうとした。

が、それが出来なくなってしまった。



「ネコちゃん。舌噛み切って死のうなんて思うなよ?そんなことする前に俺がその舌引っこ抜くからね。」



と、物騒なことを言ったのだ。

声のトーンはいつもと変わらない。

だが、それでも何故かその言葉に背筋が凍ったアキラ。

流石に舌を引っこ抜かれるのはどんなことよりも痛そうに感じた。

想像しただけで鳥肌が立つ。



「てゆーかぁ、初めからネコちゃんには拒否権ってモンないんだよねー」

「………分かった…」



舌を引っこ抜かれるよりはグンジの物になった方がマシだと思ったアキラ。

アキラの返事にグンジは目を輝かせて(前髪でその目は見えないが雰囲気で)、アキラの首筋にキスをした。



「いっ……」

「ネコちゃん 良い子〜」



グンジはアキラを俵担ぎしてヴィスキオの城へと戻った。


それからは、ヴィスキオのグンジの部屋でアキラは監禁されるのであった。
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