◇咎狗の血◇

□トラウマ
2ページ/5ページ





「ネコ… しばらくこのままでいさせて…」

「グンジ…」



グンジに後ろから抱きしめられてしまった為、身動きが出来なかった。

アキラはその抱きしめる腕が震えていることに気付き何も言わずただただじっとしていた。

それにしても朝から酷い目にあったと思っているアキラ。


アキラはグンジと一緒に生活をしている。

最初は監禁みたいなものだったが、今では自由に色んな所に行ける。

当然逃げることも可能だったが、逃げると色々面倒なので辞めている。

それに最近ではグンジとの生活もなかなか楽しいなと思い始めているアキラ。


朝ご飯が出来る頃にはいつも起きてくるグンジが今日に限ってなかなか起きて来ないので、どうしたものかと様子を見に部屋まで行った。

部屋の中に入るとグンジはまだ寝ていた。

アキラはベッドの傍まで寄ると初めて見るグンジの様子に驚いた。


彼は全身汗でびっしょりでおまけに顔色も悪かったりした。

アキラはグンジを起こそうと声をかけたらグンジが目を覚まし、アキラの顔を見るといきなり腕を引っ張りベッドに押し倒し首を絞められた。

アキラはグンジを睨みつけながら必死に言葉を言うとグンジは我に返りアキラの首を絞めていた手を緩め一言謝ると手を首から離した。


そして抱きしめられている今の状態にいたる。

しばらくグンジに抱きしめられているアキラはグンジに声をかけた。



「グンジ。汗かいたままで居ると風邪をひくから風呂に入れ」

「……………」

「グンジ」

「…分かった…」



グンジはアキラから離れると風呂場に向かった。

アキラは着替えとタオルを取りに行った。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ