◇咎狗の血◇

□Contro
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【Contro】


「コ〜ネコちゃん あ〜そ〜び〜ま〜しょッ!!」


ガキンッ


「クッ」



トシマの街の一角で刃と刃の交わる音が響いていた。

一人は緑がかった灰髪の青年。

もう一人は前髪の長い金髪の青年。


緑がかった灰髪の青年の方が少し押され気味だった。

この青年の名は、アキラ。


そしてもう一方の押している方の金髪の青年。

この青年の名は、グンジ。



「なぁ〜、ネコちゃ〜ん もっと攻めろよ つまんねぇだろッ!」

「っ……」



こうやって刃を交えての攻防戦は始まってから5分と過ぎている。

アキラからしてみればこの5分は短いようで長い。

アキラは出来ればグンジとは出会いたくはなかったと思っている。


グンジ――ヴィスキオの実質的な運営者、アルビトロの部下。

キリヲと呼ばれる鉄パイプを武器とする短髪の男とほとんど一緒に居る。

この二人を“処刑人”と呼び、恐れられている。



「それともぉ〜 ベットの上で遊ぶ?」

「嫌に決まってるだろ」

「え〜 でも…」



刹那...

グンジがアキラのシースナイフを弾き飛ばし、アキラの首を片手で掴み壁に押さえつけた。



「ぐっ……」

「ネコちゃんの肌…白くて柔らかくて…綺麗だったよ…」

「……………」



アキラは何も言わずグンジを睨みつけた。

そんなアキラにグンジは言った。



「俺さぁ ネコちゃんのそういう目…好きだぜ 今まで殺った奴等は皆俺を怯える目で見てきてよ… でも、ネコちゃんは自分の方が圧倒的に不利だって死が目前にあるのにまだそんな目をするんだもん」

「……………」

「なァ…ネコちゃん… だから俺をもっと楽しませろよ」

「っ……」



そう言ったグンジは首を絞める力を更に強めた。

アキラは必死にその手を解こうとするものの力の差は圧倒的。



「ネコちゃん苦しそうだなァ〜?なァ、生きたい?」



そう、笑いながら聞くグンジ。

アキラは声を振り絞って一言。



「…ろ……た…け…ば……せよ…」



だが、それは言葉として成立していなかった。
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