◇咎狗の血◇
□いつか見てみようか。その花を…
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【いつか見てみようか。その花を…】
「くしゅん！」
「なになに〜 ネコちゃん風邪〜？」
「…いや、違う」
この季節。厄介なものがある。
「じゃあ何〜？」
「…花粉症だ…」
そう。花粉症。
人によって症状はさまざまだが、俺の場合はくしゃみだけだけど。
「かふんしょー？」
「ああ。くしゅん！」
ああ…。ほんと辛い……。
そういえばこの季節。春と言えば…
「桜……」
「さくら…？」
桜の季節。
小さい頃施設に居た頃時々風に乗って桜の花びらが飛んできていた。
そして施設を飛び出した時、満開の桜を見た。
想像通り綺麗だった。
だけどそれっきりだった。
その後はただ毎日を生きることだけに必死で桜を…いや、綺麗な花を見るのに目が行かなかった。
そしてここトシマには桜のさの字もない。
トシマに来てグンジと共に生活するようになった。
「知らないのか？桜」
「知らない。美味しいの？」
「…食べても美味しくない。 花だからな」
「ふーん 興味ねぇな」
「結構綺麗だぞ。桜は」
桜は本当に綺麗だ。
時々その綺麗さに圧倒されてしまうことがある。
桜は昼に見ても綺麗。
夜桜というものがあるが、それはまだ見たことはないが綺麗らしい。
「ふーん… ネコちゃんがそのさくらってのに関心を持ってるんだったら良いものなんだろうな。」
「…桜は本当に綺麗だぞ。お前はどう思うかは分からないけど」
「大丈夫！ネコちゃんが綺麗って言うんだったらきっと俺も綺麗だって思う」
「…そうか」
「うん！」
「…いつか見て見るか。桜を…」
お前と一緒に……。
END
桜ネタです。
何でだろうな…。
最近グンジやアキラの口調が分からなくなってきた……。
ほんとすみません……。