short boys
□アイ死テル
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土方は俺の言うことならなんでも聞いてくれた
気にくわない人を殺して来てと頼めばしっかりと果たしてくれる程に
歪んだ愛、なんてのは重々承知
はじめの内はそんな土方に何をさせようかとワクワクしていた
だけどだんだんネタも尽きてきて、ずっと隣にいる彼が鬱陶しくさえ感じてきた
だから最後の命令をしよう
"俺を愛しているなら、死んで"
「承知した、愛してるぜ」
そんな言葉を残して彼はあっさりと任務を遂行した
"俺も愛しているから、後を追うからね"
なんて土方に言ったけど、そんなことするわけ無いじゃない
嗚呼、つまらない奴だった
誰もが夢見る[思い通り]なんてのは
叶ってしまえば味気ないものだ
さて、何をしよう
やっと監視でもされているかのように四六時中傍に居た彼を消せたのだ
鬱陶しく感じたのだから、それなりにやりたいこともあったんだ
……あれ?
なんだ、
なにも無いや
土方が消えた
それは
夜の冷たさ
独りの孤独さ
物足りなさ
を産んだだけだった
なんて取り返しのつかないことをしてしまったのだろう
俺は、彼をーーーーー……
会いたいな
土方……
「待ってよ、やっぱり俺も逝く……」
俺は、君を、アイシテルから…
-end-