Nero e bianco
□1.Un'apertura
1ページ/5ページ
『うっしゃああ!新刊ゲットォォ!!』
「なまえ姉うるさい」
『え、結構小声で言ったよね?あれうるさい?』
「近くにいるんだから嫌でも声は聞こえる」
『え、じゃあ真琴限定なんじゃ…「終わったんなら行こうよ」…なんという俺様…!なんか右京っぽい』
「クロヒョウと人間を一緒にするな」
『(わーお。聞こえてたんだ、地獄耳ー)…へーい』
放課後、私は弟のみょうじ真琴と共に本屋へ来ていた。
といっても買うのは本ではない。いや、本も今度買うが。
今日来たのは、そう…漫画を買うためだ!
その名も”モノクロ少年少女”!なんか右京と呉羽のコントに惚れたのだ!うん!
新刊があったことで今の私のテンションはものすごく高い。
真琴にうざがられるくらいの高さだ。
出来ることならスキップしたい、いやしないが。
まあそのくらい気分がいいということだ。
私はみょうじなまえ。絶賛青春中の中学2年生だ。
弟の真琴は私より2歳下の小学6年生。名前の感じが女みたいだからと嫌っている(いわゆるコンプレックス)。
『私はかっこいーと思うんだけどなぁ』
「なんの話?」
『いやこっちの話』
そして最近の悩みはよく眠れない事。あと体がたまに動かなくなること。
…金縛りかもしんないねーって家族とか友達と笑っていたけど…神経系の病気だったら結構やばいんじゃね?
うーん。そう思うとあんまり笑い事じゃないような気がしてきた。
真琴の悩みは名前だ。それ以外の悩みは最近ないらしい。くそ!うらやましいな!
『何かの陰謀を感じる…!』
「いやだからなんなのさっきから」
なんで兄弟でこんなに差があるんだ…!運動も勉強も真琴のの方が上なんて…。
『どうしよう…私明日死ぬかも』
「いいかげん黙れよお願いだから」
『なんで真琴はそんなに辛辣なの!?』
「すべて姉さんの行いと比例してるから」
『うっそー』
「ほんと」
衝撃の事実を知ったところで家についた。
え、じゃあ何、私は考え事で20分間もの間を過ごしたというのか…?!
「ほら、早く行くよ」
『うおっ!ちょ、おま!姉を殺す気か!』
「ただ手ェ引っ張っただけなんだけど」
『いった!』
ただ少しボケてみただけだというのに、真琴に頭をたたかれた。
しかもグーで。少しは自分の力考えろよ!本気出したろ今!おい!