二次創作小説

□#2
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勢いよくバー「HOMRA」を飛び出した八田と鎌本は学園島にある"葦中学園"のゲート前まで来ていた。ちょうど学園祭の時期ということもあり、ゲート前もたくさんの生徒で溢れていた。

「ちょうどいい時間帯っすね。」

「そうだな。入り方は以前と同じようにするとして……。―おい!そこの!!」

すると八田はちょうどゲートから出てきたところの男子生徒にすごみを持って声をかけた。

「は、はいぃぃぃ!?」

案の定男子生徒は「びくぅぅ!!」と震え上がって立ち止まった。

「ちょっとお前の端末貸せよ。」

「え!?いや、でも……。」

「いいから黙って貸せっつってんだよ。」

「は、はぃぃぃぃ!!」

その男子生徒は元々気弱だったのか、いとも簡単に八田に屈した。

「ちょろいな。」

すぐ近くにいた、同じような男子生徒から鎌本分の端末も奪い取り、二人は学園内へと足を踏み入れた。





* * *





八田達が勢いよく開け放った扉を静かに閉め、草薙は一息ついた。

「若いもんはええなぁ……。……ん?」

ふとテーブルに目を落とすと、何かが残されていることに気がついた。

「あーあ。忘れていったな、あいつら……。」

残されていたのはあのハンカチだった。

草薙はそれをヒョイと持ち上げるとまじまじと見つめた。

「んー…このイニシャル……。学園島の生徒じゃのうたら心当たりあったんになぁ……。」

ま、こんな乙女チックなもん、あの娘は持たへんやろーしなぁ……。と心の中で呟くと

「さ、開店準備せな……。」

草薙は丁寧にハンカチを折り畳み、ポケットの中へしまいこんだ。
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